三菱・ディアマンテ

ディアマンテ（DIAMANTE）

ディアマンテは、三菱自動車工業がかつて展開していた高級乗用車シリーズで、日本国内外で高い人気を誇ったモデルです。その名はスペイン語でダイヤモンドを意味し、三菱グループのシンボルであるスリーダイヤを由来としています。

概要

ディアマンテは、当初から日本国内向けのハードトップモデルと国外向けのセダンを計画していましたが、開発過程で市場状況を考慮し、全車西欧向けの3ナンバーサイズのハードトップとしてデビューを果たしました。これにより、特に当時競合していたホンダ等他社に先駆けて投入することに成功しました。

当時としては珍しい前輪駆動方式を採用し、高級車としての使い勝手を持ちながらも、四輪駆動のオプションも用意されている点が特筆されます。ディアマンテの登場によって、トヨタやマツダ、日産などが前輪駆動のサルーンを投入するきっかけともなりました。

初代モデル（1990年-1997年）

ディアマンテの初代は1989年の東京モーターショーで参考出品された後、1990年5月に正式に発売されました。初代のキャッチコピーは「あのクルマとは違う。ファースト・ミディアムカー宣言」であり、当時のBMW風デザインのスポーティな外観が話題を呼びました。

先代モデルであるギャランΣのデザインを引き継いだディアマンテは、マルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステムなどの最新技術が盛り込まれ、4WS（四輪操舵）システムや電子制御サスペンションが装備されていました。加えて、V型6気筒のエンジンが多様に設定されたことにより、価格も比較的抑えられており、幅広い顧客層を獲得しました。

1993年にはディアマンテワゴンが追加され、豪州で現地生産されるなど、シリーズの展開が加速しました。特に、ワゴンは豪州市場でも人気を集め、独自の仕様が設けられました。

2代目モデル（1995年-2005年）

1995年にフルモデルチェンジを行い、2代目ディアマンテを市場に投入しました。このモデルは、初代のコンセプトを受け継ぎつつ、デザインや技術面で進化を遂げました。在庫一掃セールでのキャッチコピーは「THE FIRST RUN」で、キャラクターラインを強調したボディデザインに注目が集まりました。

この新しいディアマンテでは、前輪駆動と四輪駆動の2つの駆動方式が用意され、衝突安全ボディ「RISE」が採用されたことによって安全性を大幅に向上させました。また、異なるエンジンラインナップが採用され、270psの6G72エンジンや200psの2.5L DOHCエンジンなど、多彩な選択肢がありました。

車名の由来

ディアマンテの名前は、ダイヤモンドを表現するスペイン語に由来し、その洗練されたイメージに相応しい方言で名付けられています。

このように、ディアマンテは技術革新やデザイン性、安全性を兼ね備えたセダンであり、当時の乗用車市場において重要な存在感を示していました。

関連項目

• - 三菱・シグマ - 姉妹車
• - 三菱・ギャラン
• - 三菱・マグナ

ディアマンテは、単なる自動車ではなく、その背景には三菱自動車の誇りが込められています。

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