三角寺

四国霊場第六十五番札所 三角寺

三角寺は、愛媛県四国中央市金田町に位置する高野山真言宗の寺院です。由霊山、慈尊院と号し、本尊は十一面観世音菩薩です。四国八十八箇所霊場の第六十五番札所として知られ、多くの参拝者が訪れます。

歴史

寺伝によると、天平年間（730年-749年）に聖武天皇の勅願により行基菩薩が開基したとされています。その後、弘仁6年（815年）には弘法大師空海が訪れ、十一面観音を刻んで本尊とし、不動[[明王]]を刻んで三角形の護摩壇を築き、「降伏護摩の秘法」を修したと伝えられています。この護摩壇の跡が、境内の三角の池の中の島として現存し、寺院名の由来になったとされています。

嵯峨天皇は本尊を深く信仰し、寺領を寄進して堂塔を建立したとされ、最盛期には12の坊と七堂伽藍を備えていたと伝えられています。

しかし、天正9年（1581年）に長宗我部元親の兵火によって本尊以外は焼失しました。その後、江戸時代に再建され、現在の本堂は嘉永2年（1849年）に再建されたものです。

境内の見どころ

山門
仁王像が安置された山門は、参拝者を迎えます。この仁王像は、2014年に修復され、美しい姿を取り戻しました。

本堂
本尊の十一面観世音菩薩が安置されています。脇侍として胎蔵大日如来坐像、文殊菩薩坐像、不動[[明王]]立像、毘沙門天立像が祀られています。

大師堂
弘法大師を祀るお堂で、中心には弥勒如来、向かって右側には大師像が祀られています。この弥勒如来坐像と大師像は、2014年に初めて開帳されました。

三角の池
三角形の池の中の島には弁財天が祀られています。この池は、寺名の由来となった護摩壇の跡であると伝えられています。

延命地蔵菩薩
総高約7mの青銅製の立像で、昭和52年（1977年）に建立されました。以前は大師堂がこの場所にありましたが、火災防止のため移動しました。

その他
境内には、薬師堂、鎮守社祠、西国三十三観音の写し石仏、山桜と四季桜、句碑などがあります。特に山桜は樹齢約300年といわれ、春には美しい花を咲かせます。

本尊と大師像

本尊の十一面観音は、子安観音として安産や厄除けにご利益があるとされています。かつては、妊婦が寺の杓子を持ち帰り、出産の際に床下に置くと安産になるという習わしがありました。現在では、納経所で申し出ると杓子を授与してもらえます。また、腹帯も扱っています。

大師像は、元禄時代に新造されるまでは、山を越えた仙龍寺に参拝していました。

行事

諸病封じ きゅうり加持
毎年土用丑の日（7月下旬頃）に行われる行事です。キュウリを持参して、本堂で住職による加持を受けます。

文化財

国指定史跡
伊予遍路道 三角寺奥之院道が、国の史跡に指定されています。これは、三角寺から仙龍寺を経て雲辺寺に至る雲辺寺道の一部で、当寺境内を出たところから4丁石までの約3.8kmの区間です。

県指定有形文化財
木造十一面観世音立像が、愛媛県の有形文化財に指定されています。この像は、60年に一度甲子の年に開帳される秘仏です。

アクセス

鉄道
JR予讃線 川之江駅から約6.4km

バス
せとうちバス 新宮行き「三角寺口」下車、約3.5km

道路
国道192号 上分町から約4.1km
松山自動車道 三島川之江ICから約5.3km

周辺の霊場

奥の院
金光山 仙龍寺（四国別格二十[[霊場]]第13番札所）

番外霊場
三度栗大師

前後の札所

四国八十八箇所
第六十四番札所 前神寺 (45.2km) 第六十五番札所 三角寺 (18.1km) 第六十六番札所 雲辺寺


三角寺は、四国遍路の道中、歴史と自然を感じられる素晴らしい場所です。ぜひ一度訪れてみてください。

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