三遠南信

三遠南信（さんえんなんしん）

三遠南信とは、愛知県の東三河地方、静岡県の遠州地方、長野県の南信州地域にまたがる広域地域を指す名称です。この地域は、県境を越えた交流が古くから行われており、文化や経済的な繋がりが深いことで知られています。民俗学者の間では、「三信遠（さんしんえん）」という名称も用いられています。

地域概要

三遠南信地域は、豊橋市、浜松市、飯田市という3つの都市が中心となっています。1997年には、地域間の連携を目的とした「三遠南信地域交流ネットワーク会議」が設立され、観光情報の発信などが行われました。その後、2005年には「三遠南信自動車道早期開通期成同盟会」が、2008年には「三遠南信地域連携ビジョン推進会議（SENA）」が発足し、地域連携の取り組みが強化されました。これらの組織は、広域連合や一部事務組合のような行政組織ではなく、民間も含む任意の協議会として運営されています。事務局は浜松市役所内に置かれています。

歴史的な背景

この地域は、歴史的に一つの行政体として統合されたことはありませんが、特に三河と遠州は、その歴史的な結びつきが強いことで知られています。天竜川の水運を利用した木材の輸送が行われていたことなどから、経済的な繋がりも深く、文化的な共通点も多く見られます。

地域の特徴

三遠南信地域は、中央構造線や糸魚川静岡構造線が走る地質学的な特徴も持ち合わせています。農業においては、渥美半島の菊、三ヶ日のミカン、遠州のメロン、掛川や牧之原の緑茶、飯田のリンゴや柿などが特産品です。浜名湖は養殖ウナギの産地として知られていましたが、近年では生産量が減少傾向にあります。

スポーツ面では、Jリーグのジュビロ磐田やBリーグの三遠ネオフェニックスがこの地域を拠点として活動しています。また、ヤマハ関連の施設も多く存在します。

三遠南信地域連携ビジョン推進会議の加盟状況

「三遠南信地域連携ビジョン推進会議」には、以下の地域が加盟しています。

愛知県：東三河地方の全域
静岡県：遠州地方の大部分（島田市の一部、焼津市の一部、藤枝市の一部、榛原郡の一部を除く）
長野県：南信地方の一部（諏訪地域を除く）

旧三河国のうち西三河地方、旧遠江国のうち静岡県中部地方の一部、南信地方のうち諏訪地域は加盟していません。

市町村合併の変遷

三遠南信地域では、市町村合併が頻繁に行われてきました。以下は主な合併の例です。

東三河地方

2003年：渥美郡赤羽根町が田原町に編入、田原市となる。
2005年：新城市と南設楽郡鳳来町、作手村が合併、新城市となる。
2005年：渥美郡渥美町が田原市に編入。
2005年：北設楽郡設楽町と津具村が合併、設楽町となる。
2005年：北設楽郡富山村が豊根村に編入。
2006年：宝飯郡一宮町が豊川市に編入。
2008年：宝飯郡音羽町、御津町が豊川市に編入。
2010年：宝飯郡小坂井町が豊川市に編入。

遠州地方

2004年：榛原郡御前崎町と小笠郡浜岡町が合併、御前崎市となる。
2005年：小笠郡菊川町と小笠町が合併、菊川市となる。
2005年：磐田市と磐田郡福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村が合併、磐田市となる。
2005年：袋井市と磐田郡浅羽町が合併、袋井市となる。
2005年：掛川市と小笠郡大東町、大須賀町が合併、掛川市となる。
2005年：天竜市、浜北市、周智郡春野町、磐田郡龍山村、佐久間町、水窪町、浜名郡舞阪町、雄踏町、引佐郡細江町、引佐町、三ケ日町が浜松市に編入。
2005年：榛原郡榛原町と相良町が合併、牧之原市になる。
2007年：浜松市が政令指定都市に移行。
2010年：浜名郡新居町が湖西市に編入。

南信地方

2005年：下伊那郡上村と南信濃村が飯田市に編入。
2006年：下伊那郡浪合村が阿智村に編入。
2009年：下伊那郡清内路村が阿智村に編入。

交通

三遠南信地域には、以下の交通機関が整備されています。

鉄道

東海旅客鉄道（東海道新幹線、東海道本線、飯田線）
遠州鉄道
天竜[[浜名湖鉄道]]
豊橋鉄道（渥美線、東田本線）

主な道路

東名高速道路
新東名高速道路
三遠南信自動車道
国道1号
国道151号
国道152号
国道257号
国道362号

コミュニティ放送局

三遠南信地域には、以下のコミュニティFM局があります。これらの局は、番組制作や公開生放送などを通して地域間の交流を促進しています。

エフエム豊橋（豊橋市 84.3MHz）
浜松エフエム放送（浜松市 76.1MHz）
飯田エフエム放送（飯田市 76.3MHz）

その他の情報

この地域には、天竜川、天竜[[奥三河国定公園]]、伊那谷、遠州灘、遠山郷、茶臼山などの自然や観光スポットが多く存在します。また、「春夏秋冬叢書」という出版社は、三遠南信地域の情報発信を積極的に行っています。熊谷家伝記や塩の道なども、この地域に関連する歴史的な要素です。

外部リンク

三遠南信地域連携ビジョン推進会議 SENA
東三河 ほの国 公式ホームページ
* 愛知大学三遠南信地域連携研究センター

もう一度検索