三重県道37号鳥羽松阪線

三重県道37号鳥羽松阪線：歴史と沿線の魅力

三重県道37号鳥羽松阪線は、鳥羽市と松阪市を結ぶ主要地方道であり、地域の重要な交通網の一部を担っています。起点は鳥羽市堅神町、終点は松阪市宮町に位置し、全長は約43.9kmです。この道路は、単なる移動手段としてだけでなく、豊かな歴史と文化が息づく道でもあります。

歴史

この道路の歴史は、1959年（昭和34年）に三重県道102号伊勢鳥羽線として伊勢市から鳥羽市を結ぶ一般県道として認定されたことに始まります。その後、1977年（昭和52年）には、国道23号の一部が三重県道104号松阪伊勢線として認定されました。1982年（昭和57年）には、これらの路線が統合され、主要地方道である三重県道37号鳥羽松阪線として新たに認定されました。

特筆すべきは、参宮有料道路の存在です。これは、日本初の自動車専用有料道路として建設され、現在の鳥羽松阪線の一部となっています。伊勢電気鉄道本線の廃線跡を利用して建設され、1953年（昭和28年）に開通しました。その後、日本道路公団に移管され、1967年（昭和42年）に無料化されました。

路線状況

鳥羽松阪線は、様々な別名を持っています。伊勢街道、伊勢参宮街道、御幸道路、旧国道23号、鳥羽道など、その地域や時代によって様々な呼ばれ方をしています。特に、起点の鳥羽市から伊勢市の国道23号との交点までの区間は、「朝熊道」として知られています。

また、伊勢自動車道伊勢インターチェンジから伊勢二見鳥羽有料道路二見ジャンクションまでの区間は、鳥羽松阪線の一部となっており、2017年3月11日に無料開放されました。

御幸道路

伊勢市宇治今在家町から同市本町までの区間は、御幸道路と呼ばれています。1910年（明治43年）に明治天皇の伊勢神宮への行幸のために整備された道路で、伊勢市で最も早く舗装された道です。道の両側には石灯籠が立ち並び、歴史的な雰囲気を醸し出しています。

旧国道23号

本路線の大部分は、1977年（昭和52年）まで国道23号に指定されていたため、「旧国道23号線」と呼ばれることがあります。現在でも、道路地図や案内表示などで「鳥羽松阪線（旧国道23号線）」と併記されることが多く、地域住民にとって馴染み深い名称です。

重複区間

鳥羽松阪線は、他の県道との重複区間がいくつか存在します。これらの区間では、複数の路線が一体となって道路が構成されており、複雑な交通状況が見られます。

三重県道715号館町通線（伊勢市楠部町 地内）
三重県道22号伊勢南島線（伊勢市神田久志本町・神田久志本町1交差点 - 伊勢市本町・外宮北交差点）
三重県道716号玉川小俣線（伊勢市小俣町湯田・湯田2交差点 - 伊勢市小俣町湯田・湯田1交差点）
三重県道529号多気停車場斎明線（多気郡明和町金剛坂 地内）
* 三重県道60号伊勢松阪線（松阪市大津町・大津町交差点 - 松阪市清生町・清生南交差点）

主な橋梁

鳥羽松阪線には、いくつかの重要な橋梁があります。

度会橋

宮川に架けられた伊勢市中島と同市川端町を結ぶ橋で、地域住民にとって重要な生活道路となっています。宮川の渡しの一つ「柳の渡し」があった場所に建設され、地域では有名な橋として親しまれています。

櫛田橋

櫛田川に架けられた松阪市早馬瀬と同市豊原町を結ぶ橋です。参宮有料道路建設に伴い改修され、現在の橋は四車線化されています。

沿線施設

沿線には、様々な施設があります。朝熊道沿いには、近鉄鳥羽線朝熊駅や伊勢市立四郷小学校、楠部公民館などがあります。御幸道路沿いには、赤福赤心寮や近鉄鳥羽線五十鈴川駅、市立伊勢総合病院、神宮徴古館などがあります。旧国道23号線沿いには、JR参宮線・近鉄山田線伊勢市駅や伊勢銀座新道商店街などがあります。

三重県道37号鳥羽松阪線は、地域の歴史と文化を繋ぐ重要な道路であり、沿線には多くの見どころがあります。この道を辿ることで、三重県の魅力を再発見できるでしょう。

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