上之園町

鹿児島市上之園町について

上之園町（うえのそのちょう）は、鹿児島県鹿児島市の中央部に位置する町です。甲突川下流域に広がり、加治屋町、上荒田町、中央町、高麗町、荒田といった周辺の町と隣接しています。

地理

町域は、北部をナポリ通り、中央部を甲南通り、南部を中洲通りが東西に走り、東部には高麗本通りが南北に走っています。町の北部には甲突川が流れ、川沿いには公園が整備されています。また、南端には鹿児島県立甲南高等学校、西端には鹿児島市立中洲小学校が位置しており、文教地区としての側面も持っています。

かつて甲突川には五つの石橋が架かっていましたが、その一つである高麗橋は、平成5年8月の豪雨による河川改修工事のため撤去され、現在は石橋記念公園内に移設されています。

歴史

近代

江戸時代の天保年間には、武家屋敷が甲突川の北側から南へと広がり、上之園町周辺にも多くの武士が居住していました。特に高麗町と隣接する地域には、下級武士が多く住み、上之園郷中が置かれて、郷中教育が行われていました。天保年間の「天保城下絵図」には「上ノ園」という記述が見られます。

明治時代初期には、鹿児島府下の上之園通町として知られていました。

市制施行以後

1889年（明治22年）に鹿児島市が市制を施行した際、上之園通町は鹿児島市の町「上之園通町」となりました。その後、1899年（明治32年）に「通」の文字が削除され、「上之園町」と改称されました。

1970年（昭和45年）には、住居表示の実施に伴い、上之園町の一部が中央町として分離しましたが、上荒田町や高麗町の一部が上之園町に編入され、町域が変更されました。

町域の変遷

町の区域は、市制施行や住居表示の実施に伴い、周辺の町との編入・分離を繰り返してきました。

人口

1995年以降の国勢調査によると、上之園町の人口は以下の通り推移しています。

文化財

国登録

鹿児島県立甲南高等学校本館：1930年（昭和5年）に竣工した鉄筋コンクリート造の校舎で、初期の学校建築における鉄筋コンクリート造の貴重な例として、2007年（平成19年）に登録有形文化財に登録されました。

施設

公園

共研公園

教育

鹿児島県立甲南高等学校
鹿児島市立中洲小学校
共研幼稚園

郵便局

鹿児島上之園郵便局

宗教

生教大安寺
日本キリスト教団鹿児島教会

企業

セイカスポーツセンター本社

小・中学校の学区

上之園町にお住まいの方が市立の小中学校に通う場合、それぞれの学校区が定められています。

著名な出身者

上之園町は、以下のような著名人を輩出してきました。

中原猶介（蘭学者、科学者）：地番整理前は上荒田町の一部に居住。
高島鞆之助（陸軍大臣、拓殖務大臣、枢密顧問官）：出生時は高麗町の一部に居住。
長澤鼎（薩摩藩士、カリフォルニアのワイン王）
柴山景綱（武士、山形県・福島県・警視庁官僚）
西郷寅太郎（東京俘虜収容所長、習志野俘虜収容所長・貴族院議員）
三島彌太郎（第8代日本銀行総裁）
滿尾君亮（衆議院議員、日本道路公団理事）

まとめ

上之園町は、歴史と文化が息づく町であり、教育施設や公園、公共施設が充実しており、住みやすい環境が整っています。また、多くの著名人を輩出してきた地域としても知られています。

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