上伊集院駅

上伊集院駅（かみいじゅういんえき）は、鹿児島県鹿児島市上谷口町に位置する九州旅客鉄道（JR九州）鹿児島本線の駅です。この駅は、かつての上伊集院村に由来し、周辺地域の交通を支える重要な拠点となっています。駅の標高は141メートルで、鹿児島本線においては最も高い場所にあります。このため、隣駅の広木駅を経て鹿児島中央駅に進む方向にかけては、約9キロの一貫した下り勾配になっています。

歴史

上伊集院駅の歴史は1913年（大正2年）に始まります。川内線として東市来—鹿児島間が開通した際、当駅は「饅頭石駅」として開設されました。駅名は、近くにある饅頭石という名称の巨大石に由来しています。この石は、島津貴久が休息したとの伝説があります。その後、1924年に川内線は宮之城線の開通によって川内本線に改称され、1927年には鹿児島本線に編入されました。

1949年には、地元の村議会の請願を受けて饅頭石駅から現在の上伊集院駅に改称されます。この命名は、当時の自治体名である上伊集院村に由来しています。改称後の上伊集院駅は、村内では唯一の鉄道駅でした。その後、1960年には町制を施行し松元町と改名され、最終的に2004年には鹿児島市に編入されました。

徐々に駅の設備は近代化され、1950年代からは貨物取り扱いが廃止され、1980年代には駅舎が新たに建て替えられました。1987年には国鉄分割民営化により、駅はJR九州が継承しました。2004年には九州新幹線の部分開業を受け、快速列車も当駅に停車するようになりました。また、2012年にはICカード「SUGOCA」の利用が開始され、利便性が向上しています。

駅構造

上伊集院駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面1線を有する地上駅です。合計で2面2線があり、跨線橋を通じて両ホームを行き来することができます。かつては、島式ホームに旧2番のりばもありましたが、バリアフリー化の工事を経て現在の形態が整えられました。駅舎自体は1985年に改築されたもので、JR九州が業務を行う直営駅として機能しています。平日の早朝や夜間には無人駅となる時間帯もありますが、基本的にはきっぷ売り場も存在します。

利用状況

2020年度のデータによると、上伊集院駅の1日平均乗車人員は1,501人で、JR九州管轄の駅では宇土駅に次いで98位という位置づけです。地域の交通の要所として、多くの利用者に支えられています。

駅周辺

駅周辺には鹿児島県道24号鹿児島東市来線が通っており、交通アクセスも良好です。特に駅の北側には「ガーデンヒルズ松陽台」という住宅地が開発されており、駅南側の春山町や北側の石谷町でも急速に住宅が増えています。地域の中心として、上伊集院駅は今後も発展し続けることでしょう。駅周辺には市営の駐輪場や上伊集院郵便局、県立松陽高等学校などがあり、地域住民の生活の利便も支えています。

以上のように、上伊集院駅は歴史ある駅であり、地域の交通機関として重要な役割を果たしています。

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