上杉清文

上杉 清文について

上杉清文（うえすぎ せいぶん）は、1946年4月25日に生まれた日本の僧侶であり、劇作家、さらには福神研究所の所長として知られています。現在は日蓮宗の一員として、静岡県富士市の成就山本國寺の住職を務めています。

来歴

静岡県富士市に位置する日蓮宗の本國寺で育った上杉は、立正大学の仏教学部に在籍中の1967年に、当時のアングラ劇団「発見の会」に参加しました。彼はそこで脚本や演技に取り組み、1972年には荒戸源次郎が設立した「天象儀館」に加入し、座付作者として脚本を手掛けるようになります。この時期、彼は著名な作家や音楽家とも交流を持ち、特に「全日本冷し中華愛好会」には山下洋輔や筒井康隆らと共に参加しました。

1981年には南伸坊が提唱したパフォーマンス集団「HAND-JOE」にも参加し、後に鈴木祐弘や巻上公一などもメンバーとして加わりました。彼らは兵庫県立近代美術館で奇抜な衣装での楽器演奏などを行い、さらに写真家の滝本淳助とともに「ハンジョウ・オール・スターズ（H.A.S.）」という音楽グループも結成し、渋谷のライブハウス「LA MAMA」でのパフォーマンスを行いました。

このグループの活動は1984年のレコード「高級芸術宣言」や1985年に発行された書籍『高級芸術宣言』にまとめられ、多くのファンを獲得しました。

近年では、日蓮宗の有志僧侶らと共に「福神研究所」を設立し、雑誌『福神』の編集・発行や、「摩訶止観」の講義を東京・新宿の常円寺での公開講座として開催するなど、仏教活動に力を入れています。

著書

上杉清文は、多数の著作を発表しており、自身の思想や仏教に関する考えを多くの人々に伝えています。彼の代表的な著作には、次のようなものがあります。

• - 『仏の十戒（邪法・末法・盲滅法）』（1984年）
• - 『ニーチェ遊び（仏の十戒2）』（1985年）
• - 『礼儀正しい思想（仏の十戒3）』（1985年）
• - 『無責任な思想（仏の十戒4）』（1985年）
• - 『仏の上手投げ』（1989年）
• - 『うぐいす仏法帖』（1994年）

また、彼は共著や対談集においても多くの著名人との交流を記録しており、文学的活動の側面からも幅広い影響を与えています。特に注目すべきは、平岡正明との対談集や『高級藝術宣言』に関する書籍です。

映画出演

上杉は映画の世界にもその名を連ねており、1982年には筒井康隆の原作を元にした映画『俗物図鑑』に出演しています。

上杉清文はその多様な活動を通じて、劇作家、僧侶、文化人として独自の地位を築き、高い評価を受けています。本格的な仏教活動と芸術活動を融合させる彼の姿勢は、多くの人々にとって新たなインスピレーションを与え続けています。

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