上条英男

上条英男：伝説の芸能プロデューサー、その波乱万丈な生涯

上条英男（かみじょう ひでお、本名：井上 英男、1941年3月2日 - ）は、日本の実業家であり、数々のスターを生み出した伝説的な芸能プロデューサーです。福岡県北九州市で生まれ、福岡県立八幡中央高等学校を卒業後、関西大学文学部へ進学しますが、音楽活動に傾倒し中退しました。

音楽活動から芸能プロデューサーへ

大学中退後、上条は「4・9・1（フォー・ナイン・エース）」というバンドを結成し、東北や北海道を巡業しました。1966年には芸能プロデューサーへと転身し、その才能を開花させていきます。

敏腕プロデューサーとして

上条は、4・9・1のボーカリストだったジョー山中をスカウトしたのを皮切りに、小山ルミ、吉沢京子、西城秀樹、安西マリア、田口久美、舘ひろし、川島なお美など、数々のスターを次々と発掘しました。1960年代後半から1980年代初頭にかけて、その手腕は芸能界に大きな影響を与えました。現在では株式会社office66のゼネラルプロデューサーとして、若手育成に力を注いでいます。

実業家としての側面

1970年、上条は渡辺プロダクション社長の渡辺晋の後援を受け、井澤健と共に芸能プロダクション「サンズ」を設立しましたが、これは長くは続きませんでした。その後、芸映に移籍しますが、西城秀樹のマネージメントに関する契約トラブルが起こり、1973年までに袂を分かつことになります。

逮捕歴と波乱の人生

上条の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。1960年代には、4・9・1で巡業していた際に、暴力団の事務所に日本刀を持って討ち入り、逮捕されています。また、2002年にも恐喝未遂の疑いで逮捕されており、その波乱に満ちた人生を物語っています。

数々のエピソード

上条には、数々のエピソードがあります。

小山ルミを更生させた劇的な行動: マネージメントを担当していた小山ルミが男性ミュージシャンに惑わされているのを見かね、二人の前でハサミを自分の胸に突き刺し、「俺はこれほどまでにルミのことを思っているんだ」と叫び気絶。この衝撃的な行動により、小山ルミを更生させました。
ザ・タイガースのスカウト失敗: ナンバ一番時代のファニーズ（ザ・タイガース）をスカウトしようとしましたが、「沢田研二、森本太郎、岸部一徳の三人だけ」という条件を提示されたため、断念しました。
TOTOの東京音楽祭招聘失敗: 渡米した際に意気投合したTOTOから、「西園寺たまきのバックバンドとして1982年の東京音楽祭に出演する」という約束を取り付けましたが、正式なオファーを送ったところ、口約束だったために無視されました。

参考文献

上条英男は、自らの経験を元に複数の著書を執筆しています。

『ケンカ説法』（近代映画社、1974年）
『くたばれ芸能界』（データハウス、1990年）
『芸能界の嘘ー傷だらけの一匹狼の最後の斗い』（データハウス、1990年）
『残響　闘魂！俺が生きた芸能界の半世紀』（音羽出版、2007年）
『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』（鹿砦社、2018年）

その他、沢田研二・玉村豊男編『我が名は、ジュリー』（中央公論社、1985年）や、中将タカノリの「｢くたばれ芸能界｣！伝説のマネージャー上条英男」（All About、2014年）、また、フジテレビ『転がる魂 内田裕也 ザ ノンフィクション 後編』や東京スポーツの連載記事など、多くの媒体で上条英男の人物像が紹介されています。

関連人物

上条英男は、数多くの芸能人や関係者と関わりがありました。ザ・タイガース、沢田研二、西城秀樹、舘ひろし、浅田美代子、安西マリア、小山ルミ、吉沢京子、ゴールデンハーフ、川島なお美、ジョー山中、クールス、スロッグなど、数多くの芸能人を育てました。また、周防郁雄、川村龍夫、大里洋吉、古賀誠一、渡辺晋、井澤健、堀威夫、ジャニー喜多川、内田裕也など、芸能界の重鎮たちとも関係がありました。

まとめ

上条英男は、その情熱的で破天荒な生き方で、多くの人々を魅了し続ける伝説的な人物です。彼の人生は、まさに波乱万丈そのものであり、その足跡は日本の芸能史に深く刻まれています。

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