上毛野堅身

上毛野 堅身の歴史的背景と業績

上毛野堅身（かみつけの の かたみ）は、飛鳥時代と奈良時代に活躍した貴族であり、主に美作国の設置にかかわったことが知られています。彼の姓は朝臣で、官位は従五位下、美作守という地位にありました。

経歴

堅身の公式な経歴の始まりは、文武天皇の時代に遡ります。慶雲4年（707年）、堅身は小治田安麻呂、小治田宅持、さらには高向色夫智と共に従六位下から四階昇進し、従五位下に叙爵されることとなりました。この昇進は、彼の政治的な影響力を強める契機となったと思われます。

その後、堅身は備前介の職に就き、その後の元明天皇の和銅6年（713年）には、百済王南典と共に備前国の内陸部の六郡を分離し、美作国を新たに設立することが許可され、美作守に任命されました。この新国の設置は、地域行政の再編成を示す重要な出来事であり、堅身の業績として記録されています。同年には美作国が他のいくつかの国とともに分離される事態があり、国の再編成が進められていったことがわかります。

宮廷との関係と推測

堅身は、和銅元年（708年）頃に備前介に任命されたと考えられており、これは当時の藤原不比等などの有力者との関係を示唆しています。少なくともこの時期には、堅身は地位を確立し、宮廷の行政に影響を与えていたと推測できます。

また、北山茂夫の説によれば、堅身の任官は平城京の造営と何らかの関係があるとされ、野村忠夫はこの人事異動が、律令体制の強化を目指した施策の中に位置づけられていると述べています。これらの関連性は、堅身の業績が単なる地域行政に留まらず、国家の体制にまで影響を及ぼしていたことを示唆しています。

官歴

堅身の官歴は、『続日本紀』に基づいて以下のようにまとめられています。

• - 時期不詳：従六位下
• - 慶雲4年（707年） 2月25日：従五位下
• - 和銅元年（708年） 3月13日頃：備前介か
• - 和銅6年（709年） 4月3日頃：美作守

これらの官位の変遷は、堅身の政治的な実績やその時代における地位の重要性を示しています。

結論

上毛野堅身は、飛鳥時代から奈良時代にかけての重要な貴族であり、その業績は地域の政治だけでなく、国家の構造にも深く関与していたことが分かります。美作国の設置に関する彼の貢献は、当時の国の発展を大きく支えたものと言えるでしょう。彼の生涯は、当時の日本における政治と行政の一つの縮図でもあります。

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