上西泰史
上西 泰史（かみにし やすし）は、大分県中津市出身の日本の音楽家です。ベーシスト、音楽プロデューサー、サウンドクリエイター、そして作詞家として、多方面で活躍しています。
1990年、ベーシストとしてバンド「ガラパゴス」に加入し、東芝EMIからメジャーデビューを果たしました。多くの楽曲で作詞作曲を手掛け、当時のバンドブームとは一線を画す、独自の「ジャングルビート」と呼ばれるサウンドを探求しました。エスニックな要素や生ドラムの力強いキック、タムやフロアドラムを主体としたリズムに、1990年代初頭のイギリスで影響力を増していたミュージックシーケンサー、サンプリング、ループといった手法を積極的に取り入れた、ミクスチャーロックと称される音楽性でした。
個性的な歌詞と情感豊かなメロディは、ボーカルである狩野環のまっすぐな歌声と見事に調和し、彼らは東芝EMI新人賞を受賞しています。初期の作品、特に藤井丈司氏やクマ原田氏がプロデュースしたアルバムには、こうした先進的なアプローチが色濃く反映されていました。上西氏自身も、レコーディングで訪れたロンドンで出会ったエレクトロニック・ダンス・ミュージックに強い刺激を受けたと語っており、当時は主にOpcode Vision、KORG M1といったシーケンサーや、AKAI S1000といったサンプラーを駆使して楽曲制作を行っていました。
ガラパゴスは、計3枚のオリジナルアルバムと1枚のベストアルバムをリリースした後、1994年にその活動に幕を下ろしました。
ガラパゴス解散後、上西氏はボーカルの狩野環と共にSuper EGOを結成しましたが、現在は活動休止中です。声楽とノイズギターを融合させたバンド、LOAD PLANET I.D.を核とした活動を進めながら、サウンドクリエイターとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。
その活動範囲は企業向けのサウンド制作へと広がり、カプコンのシューティングゲーム「ギガウイング」のサウンドトラックを手掛けたことが大きな転機となりました。これを機に、タクミコーポレーションの作品を含む様々なゲーム音楽制作に携わるようになります。さらに、CM音楽、イベント映像音楽、サウンドロゴなど、多岐にわたる分野でその才能を発揮しています。
サウンドクリエイターとしては、ロック、テクノ、エレクトロ、アシッドジャズ、アンビエントといったクラブミュージックから、オーケストラまで、極めて幅広い音楽性を見せ、作曲やトラック制作を単独で手掛けています。その作品は日本国内はもとより、海外でも高い評価を得ており、特に彼が手掛けたゲームサウンドトラックの中には、希少価値から現在でも高額で取引されているものも存在します。
バンド活動としては、2006年にHAL FROM APOLLO '69のボーカルhalらと共にCore-MEDALICSの一員として活動しました。2008年からは、秋間経夫氏率いるグラムロックバンド、Rama Amoebaにベーシストとして参加。2009年には、Rama AmoebaとしてNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンより異例の2枚同時メジャーアルバムリリースとヨーロッパツアーを実現しました。Rama Amoebaからは2012年6月に脱退しています。
その他、2010年にはソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォンXperia SO-01Bのカメラ機能におけるサウンドデザインコンセプトを担当。2012年には、ガラパゴスの1stアルバム『DOWN BY LAW』が廉価盤として再発売されたほか、布袋寅泰氏のボックスセットにガラパゴス「月の流す涙」のカバーが収録されるなど、過去の作品が改めて注目されました。同年には英国のゲームクリエイターによるiPhoneゲームアプリ『pig bullet』に楽曲を提供し、作曲家としても積極的に活動。
2013年には、イギリスで開催されたUKソングライティング・コンテストにおいて、上西氏が作曲し、藤生ゆかり氏が作詞した楽曲『Samurai Fire (Down by Law)』がコメンデッド・エントリー2012を受賞しています。
近年もその活動は衰えることなく、2015年にはタグチハナ氏のアルバム「Orb」や「Sound Of Swells」のプロデュース、フランスのバンドDEAD SEXY Inc.のリミックスを手掛けるなど、プロデューサーとしても活躍。2018年にはDEAD SEXY Inc.のリミックスがレコードでリリースされ、来日公演にベーシストとして参加しました。コント劇団への楽曲提供や、2021年の橘レイア氏プロデュース作品への参加など、ジャンルを超えた多様な活動を続けています。
アルバム
ガラパゴス
『Down By Law』（1990）
『Flowers』（1992）
『HONEY PIE』（1993）
『TREASURE』（1994）
Core-MEDALICS
『DIORAMA』（2006）
Rama Amoeba
『Hello! End Of The World』（2009）
『Golden Age Of Glam Rock』（2009）
『RED OR BLUE』（2012）
サウンドトラック
『ギガウイング』（1999）
『ギガウイング2 マーズマトリックス』（2001）
『ナイトレイド』（2001）
『BLAST!〜SHOOTING GAME SOUND OMNIBUS VOL.1〜』（2003）
『STORM!〜SHOOTING GAME SOUND OMNIBUS Vol.2〜』（2003）
作詞提供
東京パフォーマンスドール「夢で逢いましょう」（アルバム『Check My Heart』収録）
本田美奈子.「Sweet Dreams」（アルバム『優しい世界』収録）
この他にも、多数のオムニバス盤やゲーム音楽作品に参加しています。
バンド活動と独自のサウンド
1990年、ベーシストとしてバンド「ガラパゴス」に加入し、東芝EMIからメジャーデビューを果たしました。多くの楽曲で作詞作曲を手掛け、当時のバンドブームとは一線を画す、独自の「ジャングルビート」と呼ばれるサウンドを探求しました。エスニックな要素や生ドラムの力強いキック、タムやフロアドラムを主体としたリズムに、1990年代初頭のイギリスで影響力を増していたミュージックシーケンサー、サンプリング、ループといった手法を積極的に取り入れた、ミクスチャーロックと称される音楽性でした。
個性的な歌詞と情感豊かなメロディは、ボーカルである狩野環のまっすぐな歌声と見事に調和し、彼らは東芝EMI新人賞を受賞しています。初期の作品、特に藤井丈司氏やクマ原田氏がプロデュースしたアルバムには、こうした先進的なアプローチが色濃く反映されていました。上西氏自身も、レコーディングで訪れたロンドンで出会ったエレクトロニック・ダンス・ミュージックに強い刺激を受けたと語っており、当時は主にOpcode Vision、KORG M1といったシーケンサーや、AKAI S1000といったサンプラーを駆使して楽曲制作を行っていました。
ガラパゴスは、計3枚のオリジナルアルバムと1枚のベストアルバムをリリースした後、1994年にその活動に幕を下ろしました。
サウンドクリエイターへの転換
ガラパゴス解散後、上西氏はボーカルの狩野環と共にSuper EGOを結成しましたが、現在は活動休止中です。声楽とノイズギターを融合させたバンド、LOAD PLANET I.D.を核とした活動を進めながら、サウンドクリエイターとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。
その活動範囲は企業向けのサウンド制作へと広がり、カプコンのシューティングゲーム「ギガウイング」のサウンドトラックを手掛けたことが大きな転機となりました。これを機に、タクミコーポレーションの作品を含む様々なゲーム音楽制作に携わるようになります。さらに、CM音楽、イベント映像音楽、サウンドロゴなど、多岐にわたる分野でその才能を発揮しています。
サウンドクリエイターとしては、ロック、テクノ、エレクトロ、アシッドジャズ、アンビエントといったクラブミュージックから、オーケストラまで、極めて幅広い音楽性を見せ、作曲やトラック制作を単独で手掛けています。その作品は日本国内はもとより、海外でも高い評価を得ており、特に彼が手掛けたゲームサウンドトラックの中には、希少価値から現在でも高額で取引されているものも存在します。
その他の音楽活動
バンド活動としては、2006年にHAL FROM APOLLO '69のボーカルhalらと共にCore-MEDALICSの一員として活動しました。2008年からは、秋間経夫氏率いるグラムロックバンド、Rama Amoebaにベーシストとして参加。2009年には、Rama AmoebaとしてNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンより異例の2枚同時メジャーアルバムリリースとヨーロッパツアーを実現しました。Rama Amoebaからは2012年6月に脱退しています。
その他、2010年にはソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォンXperia SO-01Bのカメラ機能におけるサウンドデザインコンセプトを担当。2012年には、ガラパゴスの1stアルバム『DOWN BY LAW』が廉価盤として再発売されたほか、布袋寅泰氏のボックスセットにガラパゴス「月の流す涙」のカバーが収録されるなど、過去の作品が改めて注目されました。同年には英国のゲームクリエイターによるiPhoneゲームアプリ『pig bullet』に楽曲を提供し、作曲家としても積極的に活動。
2013年には、イギリスで開催されたUKソングライティング・コンテストにおいて、上西氏が作曲し、藤生ゆかり氏が作詞した楽曲『Samurai Fire (Down by Law)』がコメンデッド・エントリー2012を受賞しています。
近年もその活動は衰えることなく、2015年にはタグチハナ氏のアルバム「Orb」や「Sound Of Swells」のプロデュース、フランスのバンドDEAD SEXY Inc.のリミックスを手掛けるなど、プロデューサーとしても活躍。2018年にはDEAD SEXY Inc.のリミックスがレコードでリリースされ、来日公演にベーシストとして参加しました。コント劇団への楽曲提供や、2021年の橘レイア氏プロデュース作品への参加など、ジャンルを超えた多様な活動を続けています。
主な参加作品
アルバム
ガラパゴス
『Down By Law』（1990）
『Flowers』（1992）
『HONEY PIE』（1993）
『TREASURE』（1994）
Core-MEDALICS
『DIORAMA』（2006）
Rama Amoeba
『Hello! End Of The World』（2009）
『Golden Age Of Glam Rock』（2009）
『RED OR BLUE』（2012）
サウンドトラック
『ギガウイング』（1999）
『ギガウイング2 マーズマトリックス』（2001）
『ナイトレイド』（2001）
『BLAST!〜SHOOTING GAME SOUND OMNIBUS VOL.1〜』（2003）
『STORM!〜SHOOTING GAME SOUND OMNIBUS Vol.2〜』（2003）
作詞提供
東京パフォーマンスドール「夢で逢いましょう」（アルバム『Check My Heart』収録）
本田美奈子.「Sweet Dreams」（アルバム『優しい世界』収録）
この他にも、多数のオムニバス盤やゲーム音楽作品に参加しています。
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