下兵庫こうふく駅

下兵庫こうふく駅：歴史と幸福が交差する駅

福井県坂井市坂井町下兵庫に位置する下兵庫こうふく駅は、えちぜん鉄道三国芦原線沿線にある無人駅です。駅番号はE36。穏やかな田園風景の中に佇むこの駅は、その歴史と、人々の幸福を願う想いが込められたユニークな駅名で知られています。

駅名の由来と改称

開業当初は「下兵庫駅」としていましたが、2017年、坂井市のブランディング事業の一環として「下兵庫こうふく駅」に改称されました。「こうふく」は、この地域がかつて興福寺の荘園であった歴史と、福井県の高い幸福度ランキングに由来しています。改称を記念して、興福寺の貫首であった多川俊映氏による「心」の字が書かれた扁額が駅舎に飾られました。この駅名変更は、地域活性化への期待と、幸福な未来への願いを象徴する出来事と言えるでしょう。

歴史を刻む軌跡

下兵庫こうふく駅の歴史は、1928年12月30日に三国芦原電鉄の福井口 - 芦原（現在のあわら湯のまち駅）間の開業と同時に始まりました。その後、1942年には京福電気鉄道に合併、1967年には貨物取扱が廃止され、1970年には駅業務が委託化されました。2001年には京福電気鉄道越前本線で発生した列車衝突事故の影響で一時休業を余儀なくされましたが、2003年2月1日に京福電気鉄道からえちぜん鉄道に駅施設が譲渡され、同年8月10日に営業を再開。そして2017年3月25日、現在の駅名に改称されました。長い歴史の中で幾多の変遷を経てきたこの駅は、地域社会とともに歩んできた証を静かに物語っています。

駅舎と周辺環境

下兵庫こうふく駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。無人駅のため、駅舎は簡素ながらも清潔感があり、ホーム上に待合所が設けられています。待合所の隣には駐車場と駐輪場も完備。線路西側のホーム上に位置する木造の待合所は、ホームとの高低差を解消するため、床がコンクリートでかさ上げされているのが特徴です。駅周辺は田園地帯が広がり、のどかな雰囲気に包まれています。駅名改称と同時に整備された「こうふくロード」と呼ばれる散歩道は、地域住民の憩いの場として親しまれています。駅は坂井市役所の最寄りの三国芦原線駅ではありますが、約3kmの距離があります。

交通アクセス

下兵庫こうふく駅は、坂井市コミュニティバス「下兵庫こうふく駅前」バス停留所からもアクセス可能です。木部ルートの丸岡駅行き、池見行きバスが運行されています（土日祝運休）。

周辺施設

駅の周辺には、淵龍の池、春日神社、坂井市立兵庫小学校などの施設があります。これらの施設と合わせて、下兵庫こうふく駅は地域住民の生活に密着した存在となっています。

隣の駅

下兵庫こうふく駅は、歴史と自然、そして人々の幸福への願いが凝縮された、静かで穏やかな魅力を持つ駅です。福井を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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