下曽我駅

下曽我駅（しもそがえき）は、神奈川県小田原市曽我原に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）と日本貨物鉄道（JR貨物）が共同で使用する御殿場線の鉄道駅です。駅番号はCB01が付与されています。

概要

御殿場線において、JR東海は列車の運行を担う第一種鉄道事業者、JR貨物は施設の一部を共有する第二種鉄道事業者として関わっていますが、現在、この駅では定期的な貨物列車の運行はありません。

本駅の運営形態は、1987年の国鉄分割民営化を機に変化しました。それまで日本国有鉄道などの単一事業者によって運営されていましたが、民営化により旅客営業はJR東海へ、貨物営業はJR貨物へと引き継がれ、現在に至ります。駅が所在する小田原市下曽我地区は、駅開業時には同名の「下曽我村」でしたが、後に小田原市に編入されました。

地理的な特徴として、下曽我駅はJR東海が管轄する在来線の中で最も東に位置する駅であり、JR東海が単独で管轄する在来線停車駅としては、関東地方の市に存在する唯一の駅という顔を持ちます。小田原市内にはJR東海の小田原駅もありますが、両駅は市内にありながらも、JR東海としての管轄エリアとしては離れた位置関係にあります。

運賃制度の上では、隣の国府津駅が「東京近郊区間」に含まれるのに対し、当駅はこの近郊区間外にあたります。このため、東京近郊区間を発着する乗車券の場合、国府津駅を含む区間では通常途中下車が認められない100km以上の乗車券でも、下曽我駅を発着地とすることで途中下車が可能となります。東京駅からの営業キロで見ると、当駅は近郊区間外の駅としては最も東京駅に近い位置にあります。また、御殿場線がかつて東海道本線の一部であった時代の駅として、丹那トンネル開通以前に東海道本線駅として開設された歴史も持ちます。

歴史

下曽我駅の歴史は、1911年5月1日に国有鉄道東海道本線の信号所としてスタートしました。その後、1922年4月17日に信号場へと改称され、同年5月15日には駅へと昇格、旅客および貨物の取り扱いを開始しました。駅舎は1923年9月1日の関東大震災で倒壊しましたが、再建されています。

1934年12月1日には、熱海駅と沼津駅を結ぶ新線開通に伴い、国府津駅・下曽我駅・沼津駅間の旧東海道本線は「御殿場線」として再出発しました。戦時中の1943年には単線化が実施され、1968年には国府津・御殿場間の電化により駅構内も電化されます。

貨物扱いは、1962年に一度廃止されましたが、1967年には専用線を発着する貨物に限って取り扱いが再開されました。しかし、1998年には再び定期的な貨物列車の設定がなくなります。1984年には荷物の取り扱いも廃止されました。

1987年4月1日の国鉄分割民営化により、JR東海とJR貨物の駅となります。近年では、ICカード「TOICA」の利用範囲が拡大し、2019年3月には沼津方面、2021年3月には国府津方面でも利用可能となりました。

駅構造

下曽我駅は、島式ホーム1面2線を持つ地上駅です。ホームの北側が1番線（上り）、南側が2番線（下り）ですが、両方向の信号機が設置されており、折返し運転も可能な構造となっています。

ホームの一部（約2両分）には屋根があり、国府津寄りの約5両編成分のホームはバリアフリー化のための嵩上げなどが施されています。駅舎は1番線側の北側にあり、太平洋戦争中に空襲を受けつつも修理・改修されて使用されている木造建築で、蔵造りを模した外観が特徴です。駅舎とホームとの間は地下通路で連絡されています。

駅舎内にはJR全線きっぷうりばのほか、自動券売機や簡易式のTOICA改札機が設置されています。下曽我駅はJR東海による直営の駅員配置駅ですが、かつてのような駅長常駐体制はなく、現在は松田駅の管理下にあります。早朝や夜間帯は無人での営業となります。

貨物取扱

現在、JR貨物の駅としては機能していますが、前述の通り定期的な貨物列車の設定はなく、臨時の車扱貨物のみ取り扱う形態となっています。過去には、セメント会社への専用線や、酒匂川方面への砂利採取のための専用線が駅から分岐していましたが、これらは既に廃止されています。セメント輸送は1998年に終了し、砂利線跡の大部分は道路などに転用されています。

利用状況

神奈川県の統計資料によると、2021年度の1日平均乗車人員は1,091人でした。

駅周辺

駅周辺からは、富士急モビリティによるバス路線が運行されています。「下曽我駅」および「下曽我駅入口」のバス停があり、新松田駅、国府津駅、小田原駅、ダイナシティ方面などへアクセス可能です。

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）御殿場線
国府津駅 (CB00) - 下曽我駅 (CB01) - 上大井駅 (CB02)

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