下総町

下総町（しもふさまち）とは

下総町は、かつて千葉県香取郡に存在した町です。2006年3月27日に、同じ香取郡の大栄町とともに成田市へ編入合併され、その歴史に幕を閉じました。

概要

下総町は、農業が町の中心産業でした。町の北部を流れる利根川沿いには広大な水田地帯が広がり、水郷早場米の産地として有名でした。早場米は8月中旬から出荷され、その品質の高さから高い評価を受けていました。また、台地では畑作が盛んに行われ、多種多様な作物が栽培されていました。

特筆すべきは、下総町で栽培されるレンコンです。無漂白でありながら真っ白なその見た目と、シャキシャキとした食感が特徴で、町の特産品として広く知られていました。レンコン栽培は、国の減反政策をきっかけに始まり、現在ではハウス栽培、二年掘り、筋掘りなど多様な栽培方法が取り入れられています。これにより、一年を通して市場への出荷が可能となり、その販売戦略が評価され、平成12年には日本農業賞大賞を受賞しました。

その他、サツマイモの生産も盛んで、利根川の河川敷では酪農も営まれていました。

工芸品としては、下総鬼瓦が有名でしたが、現在では町内に県下唯一の鬼瓦工場が残るのみとなっています。この鬼瓦は、千葉県の伝統的工芸品に指定されています。

下総町の歴史は古く、鎌倉時代には大須賀氏の所領として栄えました。江戸時代には、井上政重がこの地を含む1万石を領する大名となり、高岡藩が成立しました。3代藩主の井上政蔽の時代に、高岡に陣屋が置かれました。

地理

下総町は、以下の自治体と隣接していました。

北：茨城県稲敷郡河内[[町]]
東：香取郡神崎町
東南：香取郡大栄町
西～南：成田市

歴史

地名の由来

下総（しもふさ）という地名は、かつて日本の地方行政区分であった令制国の一つ、「下総国（しもふさのくに）」に由来します。下総町は、「平成の大合併」直前まで、関東地方で唯一旧国名をそのまま名乗る市町村でした。なお、近隣地域では、下総町の「ふ」を「う」と発音する人が多いです（旧下総国域の鉄道駅名で使用される下総〜の読みは「う」です）。

沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制施行により、滑河村、西大須賀村、大菅村、猿山村、四谷村が合併し、滑河町（初代）が発足。
1897年（明治30年）12月29日：滑河駅が開業。
1955年（昭和30年）2月11日：滑河町が高岡村、小御門村と合併し、滑河町（2代目）が新設。同日、下総町に改称。
1965年（昭和40年）：国道356号が制定。
1979年（昭和54年）2月：常総大橋が開通。
1995年（平成7年）2月10日：「下総町立歴史民俗資料館」が開館。
1996年（平成8年）3月22日：国道356号バイパスが町内区間で開通。
2006年（平成18年）
3月23日：下総町閉町式。
3月24日：下総町閉庁式。
3月27日：成田市に編入され、下総町は廃止。

行政区域変遷

（変遷表は省略）

姉妹都市

国内

全国伝統地名（旧国名）市町村連絡会議に参加していましたが、成田市との合併と同時に脱退しました。

海外

フォクストン（ニュージーランド）：1995年1月31日に姉妹都市提携を締結。1992年より下総中学校の生徒を親善大使として派遣するなど、交流がありました。

行政

歴代町長は以下の通りです（省略）

教育

保育所

下総町立高岡保育所

小学校

下総町立滑河小学校
下総町立小御門小学校
下総町立名木小学校
下総町立高岡小学校

中学校

下総町立下総中学校

高等学校

千葉県立下総高等学校

交通

鉄道

東日本旅客鉄道（JR東日本）

成田線：滑河駅

道路

一般国道：国道356号
主要地方道：千葉県道63号成田下総線、千葉県道79号横芝下総線
一般県道：千葉県道103号江戸崎下総線、千葉県道161号成田滑河線、千葉県道207号滑河停車場線

観光

滑河観音（龍正院）

坂東三十三観音霊場の第二十八番札所である滑河観音は、通称として知られています。国の重要文化財である仁王門をくぐると、右手に夫婦松があります。元禄11年（1698年）に建立された本堂は入母屋造の五間堂で、本尊は高さ約3.6センチの十一面観音です。この十一面観音は、後に造られた大観音像の胎内に納められています。滑河観音は、延命、安産子育、災難消除の守り本尊として、多くの参拝者が訪れます。本堂は県有形文化財に指定されており、房総の魅力500選にも選定されています。

小御門神社

旧別格官幣社である小御門神社は、後醍醐天皇の忠臣であった贈太政大臣藤原師賢公を祀っています。明治15年（1882年）には、明治天皇が師賢公の功績を称え、国の守り神として別格官幣社に列しました。今日では、「回復の神」「身代わりの神」として、多くの人々から崇敬を集めています。境内の森は、県内最大規模の常緑針葉樹林であり、千葉県天然記念物に指定されています。

成田ゆめ牧場

成田ゆめ牧場は、自然を生かした観光牧場です。ヒツジやヤギなどの動物と触れ合うことができます。ペット同伴も可能で、キャンプ場も併設されています。また、牧場内で生産された乳製品の販売も行われています。

その他

総世帯数：2,662世帯（2006年2月1日現在）

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