中宮ダム

中宮ダムについて

中宮ダムは、石川県白山市中宮を流れる手取川水系雄谷川に建設された、北陸[[電力]]所有の発電用ダムです。高さ16.6メートルの重力式コンクリートダムであり、中宮発電所へ水を送り、最大3,000キロワットの電力を発電する役割を担っています。

歴史

1930年（昭和5年）、雄谷川での水力発電開発を目的に、雄谷川電力が設立されました。同社は、中宮発電所と取水施設である中宮ダムの建設に着手し、1935年（昭和10年）7月に運転を開始しました。当時、発電された電力は小松電気へ売却され、同社の電力供給能力を大きく向上させ、日本電気冶金のような大口顧客を獲得するに至りました。

その後、1939年（昭和14年）に日本発送電が設立され、国家による電気事業の管理が進められました。中宮発電所は比較的規模が小さかったため、直接的な収容は免れましたが、北陸地方の電力会社は自主的に統合し、北陸合同電気を設立しました。雄谷川電力や小松電気もこの動きに加わりました。最終的に、北陸合同電気などの北陸地方の電力会社は、国主導の配電会社である北陸配電に統合されました。

戦後、日本発送電と配電会社は分割・民営化され、中宮発電所は北陸[[電力]]が継承し、現在に至っています。

周辺情報

中宮ダムへは、北陸自動車道金沢西インターチェンジから国道157号を南下し、白山白川郷ホワイトロードへとつながる国道360号から雄谷川沿いの林道を進むことでアクセスできます。

諸問題

中宮ダムは、左岸に4門の排砂ゲート、右岸には自由越流型の洪水吐を設けています。越流部の直上にはダム管理用の橋が架かっており、中央に橋脚が1本あります。

北陸[[電力]]は、橋の補強工事として橋台と橋脚の基部にコンクリートを巻き付ける工事を実施しましたが、この工事を河川管理者に届け出ていなかったことが問題となりました。また、巻き付けたコンクリートが越流部の幅を狭め、放流を阻害する可能性も指摘されました。

国土交通省は、この問題を重く見て、2007年（平成19年）5月16日に北陸[[電力]]に対し、是正工事の実施と工事完了までの中宮発電所の使用停止を命じました。北陸[[電力]]は改修を行い、同年6月15日に発電所の運転を再開しました。

関連情報

ダム
日本のダム一覧
重力式コンクリートダム
日本の発電用ダム一覧
水力発電
関連企業
雄谷川電力
北陸合同電気
北陸配電
北陸[[電力]]
小松電気
日本海電気
新日本電工
近隣のダム
尾口第一ダム
吉野谷ダム
その他
中宮温泉
中部地方のダム一覧

参考文献

北陸地方電気事業百年史編纂委員会編『北陸地方電気事業百年史』北陸[[電力]]、1998年。

外部リンク

ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 中宮ダム
ダムズワールド（中宮ダム） - ウェイバックマシン（2016年3月4日アーカイブ分） - 中宮ダム（放流中）の写真が掲載されています。

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