中山美保

中山美保：吉本新喜劇の“マドンナ”からベテラン女優へ

中山美保（1938年2月13日 - 2017年2月7日）は、日本の喜劇女優です。本名は石田美保子。徳島県出身で、吉本クリエイティブ・エージェンシーに所属していました。

インドネシアでの幼少期と女優への道

中山美保は、幼少期を父親の仕事の都合でインドネシア・ジャワ島で過ごしました。そのため、日本語はほとんど話せないまま日本に戻ってきました。その後、アカデミー芸術学院を経て、中田プロダクションに入社。大阪劇場の専属女優として活躍した後、千土地興行を経て、1967年5月、梅田コマ劇場での「宮城まり子自叙伝」公演で吉本新喜劇にデビューしました。

吉本新喜劇での活躍

20代から30代にかけては、藤井信子、山田スミ子に続く吉本新喜劇のヒロインとして活躍し、井上竜夫や末成由美らと共に、長年にわたり新喜劇を支えました。 1989年の「新喜劇やめよッカナ!?キャンペーン」では、多くの看板女優が新喜劇を離れる中、桑原和男、池乃めだかと共に残留し、舞台に立ち続けました。

多彩な役柄と後輩育成

年齢を重ねるにつれて、役柄はヒロインの母親役や旅館の女将、売店のおばさんなどに変化していきました。驚くべきことに、年齢を重ねた後も、セーラー服姿の女子高生役を演じるなど、幅広い役をこなし続けました。これは、長年のヒロイン経験と、その卓越した演技力によるものです。 また、五十嵐サキ、小籔千豊、山田亮、伊賀健二、小米良啓太といった若手芸人の育成にも尽力しました。若い頃にはブーツ姿の女ギャングを演じたこともありました。

病気と死去

2009年末頃から体調を崩し、再生不良性貧血と診断されました。その後は舞台活動を休止し、自宅で療養を続けました。2017年2月7日、肺血腫による呼吸困難のため、78歳で亡くなりました。 死去の発表は同年4月4日に行われました。

個性的なキャラクターとギャグ

中山美保は、特定のギャグを持つわけではありませんでしたが、舞台上ではひっつめ髪に眼鏡という独特の容姿で、年齢やシワをネタにされることも多かったです。 「ウヮーハハハハハハ」という独特の笑い声も印象的でした。また、「ご先祖様ですか？」「足、足、足…」といった、彼女の個性あふれるギャグや仕草は、観客に多くの笑いを提供しました。 共演者との掛け合いも素晴らしく、特に、首筋のシワをネタにしたやり取りは彼女の代表的なシーンと言えるでしょう。

プライベートとその他

夫はテレビ制作者の石田正治で、横山エンタツの長男にあたります。そのため、花紀京は義弟にあたります。女優の中山美穂とは芸名が似ており、しばしばネタにされました。本人も「ミポリン」と自称することもありました。2001年のドラマ「夫婦漫才」では、中山美穂と親子役で共演も果たしています。 また、生年は長く公表されていませんでした。

まとめ

中山美保は、インドネシアでの幼少期、吉本新喜劇での華麗な活躍、そして後進の育成と、波瀾万丈の人生を送りました。 独特のユーモアと存在感で多くの観客を魅了し、吉本新喜劇の歴史に大きな足跡を残した、偉大な喜劇女優でした。彼女の功績は、これからも多くの人に語り継がれていくでしょう。

もう一度検索