中嶋神社

中嶋神社

中嶋神社は、兵庫県豊岡市に鎮座する神社です。菓子の神様として知られ、製菓業界から特別な崇敬を受けています。その歴史と文化財、祭事についてご紹介します。

祭神

主祭神は田道間守命（たじまもりのみこと）です。垂仁天皇の命を受け、常世の国から非時香果（ときじくのかぐのみ）、すなわち橘を持ち帰ったと日本書紀に記されています。橘が菓子の最上級品とされたことから、菓祖神、柑橘の祖神として崇められています。また、養蚕を奨励したことから養蚕の神としても信仰されています。

配祀神は天湯河棚神（あめのゆかわたなのかみ）です。安美神社の祭神で、鳥取連の祖神とされています。垂仁天皇の皇子、誉津別命のために鵠（白鳥）を捕らえた人物とされています。

歴史

国司文書によれば、推古天皇15年（606年）に田道間守命の7世の子孫である三宅吉士が、祖神を祀ったのが始まりとされています。「中嶋」という社名は、田道間守命の墓が垂仁天皇陵の池の中に島のように浮かんでいることに由来すると伝えられています。

中世には、安美郷内の4社を合祀し、「五社大明神」とも呼ばれていましたが、後に安美神社以外の神社は分離しました。明治時代に入り、村社、郷社を経て、昭和10年（1935年）に県社へと昇格しました。

祭礼

例祭は毎年4月第3日曜日に斎行されます。菓子祭、または橘花祭（きっかさい）とも呼ばれ、全国の製菓業者が多数参列し、業界の発展と繁栄を祈願します。

社殿

本殿は二間社流造檜皮葺で、室町時代の建築様式を今に伝えています。応永年間の火災後、正長元年に再建されたもので、室町中期の特色をよく示しているものとして、国の重要文化財に指定されています。

文化財

重要文化財（国指定）
本殿 附棟札1枚（建造物、明治45年2月8日指定）

アクセス

JR山陰本線豊岡駅から全但バス奥野行きに乗車、「中嶋神社」バス停下車すぐ
または神美経由出石行きに乗車、「森尾口」バス停から徒歩15分

中嶋神社は、菓子の神様としてだけでなく、歴史と文化が息づく場所として、多くの人々に親しまれています。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

参考文献

『式内社調査報告』第19巻山陰道2、皇學館大學出版部、昭和59年
『兵庫縣神社誌』下巻、臨川書店、昭和59年 ISBN 4-653-01102-8（兵庫縣神職會刊行、昭和13年の復刻）
『兵庫県の地名Ⅰ』（日本歴史地名大系29）、平凡社、1999年 ISBN 4-582-49060-3
『兵庫県大百科事典』、神戸新聞出版センター、昭和58年 ISBN 4-87521-100-7

外部リンク

* 中嶋神社（兵庫県神社庁）

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