中平正彦

日本の漫画家、中平 正彦（なかひら まさひこ）は、高知県高知市に生まれ、現在は漫画家として活動している。大阪芸術大学芸術学部美術学科を中退後、漫画家としての道を歩み始めた。

漫画家としての第一歩は、小学館の『週刊少年サンデー増刊号』に掲載された読み切り作品『ランニング・ワイルド』であった。このデビュー作に続き、同誌で複数の読み切り作品を発表。その後は、『学園帝国 俺はジュウベイ!』（原作：広井王子）や、未単行本化ながら『RATS』といった連載作品も手がけることとなる。

中平正彦の名を広く知らしめたのは、カプコンの人気対戦型格闘ゲームシリーズ『ストリートファイター』のコミカライズ作品群である。主にアーケードゲーム専門誌『ゲーメスト』や、その派生コミック誌『コミックゲーメスト』（いずれも新声社刊）にて、『ストリートファイターZERO』、『さくらがんばる!』、『RYU FINAL』などを発表した。

これらの作品は、単にゲームの世界観を漫画化するだけでなく、キャラクターたちの内面に深く迫る描写や、ゲーム本編では語られないオリジナルの物語を展開し、ファンや批評家から高い評価を得た。その影響力は大きく、中平が漫画の中で創り出したオリジナルの設定や、後にシリーズの人気キャラクターとなる神月かりんのようなオリジナルキャラクターが、カプコンのゲーム開発チームによってゲーム本編に「逆輸入」されるという、原作ゲームに影響を与える異例の事態も発生した。特に神月かりんについては、彼女が登場する作品が発売される度に、ファンから次作での登場を望む声が多く寄せられるほどの根強い人気を誇っている。

『ストリートファイター』関連作と並行して、オリジナルの連載作品も精力的に発表している。特に、SFアクション漫画である『破壊魔定光』は、1999年から2005年にかけて集英社の『ウルトラジャンプ』で連載され、単行本は全12巻が刊行された。この作品は2001年にWOWOWでアニメ化も実現し、アニメ版では中平自身も「やよいの彼氏」という役柄で声優として出演するという経験も持つ。

『破壊魔定光』以降も、宮部みゆき原作のファンタジー作品『ドリームバスター』（『月刊COMICリュウ』連載）をはじめ、『つきロボ』（『ウルトラジャンプ』連載）、『アカイケモノ』（『画楽の杜』連載）など、様々なジャンルで作品を発表し続けている。

主な作品リストは以下の通り。

連載作品

RATS（『週刊少年サンデー増刊号』、1990年、未単行本化）
学園帝国 俺はジュウベイ!（『週刊少年サンデー』、1993年、原作：広井王子、全4巻）
スーパーストリートファイターII キャミィ外伝（『週刊少年サンデー増刊』、1994年、全1巻）
ストリートファイターZERO（『ゲーメスト』、1995年 - 1996年、全2巻。2007年にジャンプリミックス版、2018年に復刊ドットコムより新装版が発売）
さくらがんばる!（『コミックゲーメスト』、1996年 - 1997年、全2巻・完全版全1巻。2007年にジャンプリミックス版、2018年に復刊ドットコムより新装版が発売）
RYU FINAL（『ゲーメスト』、1997年 - 1998年、全2巻。2007年にジャンプリミックス版、2018年に復刊ドットコムより新装版が発売）
破壊魔定光（『ウルトラジャンプ』、1999年 - 2005年、全12巻）
ドリームバスター（『月刊COMICリュウ』、2006年 - 2010年、原作：宮部みゆき、全7巻）
つきロボ（『ウルトラジャンプ』、2011年 - 2013年、全3巻）
アカイケモノ（『画楽の杜』、2014年 - 、既刊2巻）

読み切り作品

ランニング・ワイルド（『週刊少年サンデー1987年2月増刊号』）
あい・あむ・ざ★HERO!（『週刊少年サンデー1987年11月増刊号』）
ワイルド・ボーイズ（『週刊少年サンデー1988年5月増刊号』）
POWER BOY（『週刊少年サンデー1989年2月増刊号』）
タイマンGP（『週刊少年サンデー1995年21・22号 - 23号』）

その他（イラスト等）

ストリートファイター アート・コミック・アンソロジー（エンターブレイン、2009年）
ストリートファイターV VALUABLE EDITION「STREET FIGHTER V A Visionary Book」描き下ろし見開き漫画

漫画家の中原裕を師匠に持ち、過去には三好雄己、上山徹郎、たくま朋正らがアシスタントを務めた経験がある。

現在の活動や情報は、以下の外部リンクで確認できる。

外部リンク

ナカヒラワークスBLOG （中平正彦個人サイト）
* 中平正彦 (@nakaso555) - X（旧Twitter）

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