中濃

中濃地域の概要

中濃（ちゅうのう）とは、岐阜県中南部に位置する地域の名称であり、美濃国中部に相当します。この地域は、岐阜県内の他地域、すなわち西濃や東濃と比較すると、その範囲が明確には定義されていない点が特徴的です。中濃地域を理解するためには、美濃国を四つに分割した視点が有効です。

地域の構成

中濃地域を形成するのは関市、美濃市、美濃加茂市、可児市、郡上市の5つの市です。さらに、加茂郡には坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村が含まれ、可児郡には御嵩町があります。場合によっては下呂市もこの地域に加えられることがあります。また、郡上市は「北濃」として区分されることがある一方、県内では奥美濃と呼ばれることも多いです。

地形的には、南西部に広がる平野に対し、その他の区域は主に山間部を形成しています。中濃地域は長良川、木曽川、飛騨川といった川の流域によって区分され、関市と美濃市、郡上市は長良川沿いに位置しています。可児市と可児郡は木曽川の南岸、美濃加茂市と加茂郡は木曽川北岸および飛騨川沿いに広がっています。また、可児市、可児郡、美濃加茂市、加茂郡を合わせて可茂地区と呼ぶこともあります。

気候

中濃地域は主に太平洋側気候ですが、一部の地域では日本海側気候や中央高地式気候の影響も受けています。全域において、内陸性の気候を併せ持ち、地域によっては豪雪が見られることもあります。

人口と面積

中濃地域の人口は352,448人、面積は2,454.26平方キロメートルで、人口密度は144人/km²です（2024年9月1日付の推計）。特に、関市と可児市はそれぞれ約10万人を擁しています。

産業

農業

中濃地域の平野部は豊富な田園地帯が広がり、山間部では林業が盛んです。美濃加茂市では梨や葡萄、柿などの果物栽培が行われ、関市（旧洞戸村）ではキウイフルーツも生産されています。

伝統工業

この地域には、関市での刃物作り、美濃市の和紙、郡上市の郡上本染といった伝統的な産業も存在します。

工業

関市、美濃加茂市、可児市では製造業が活発に行われ、多様な産業が地域を支えています。

交通

道路

中濃地域には、東海北陸自動車道や東海環状自動車道などの高速道路が整備されています。また、多くの国道も通っており、国道21号や41号、156号、158号、248号などが利用されています。

バスと鉄道

公共交通機関としては、岐阜バスが主に関市や美濃市、東鉄バスが美濃加茂市や可児市、濃飛バスが加茂郡北部を運行しています。また、JR高山本線や多くの名古屋鉄道の路線も便利です。過去には名古屋鉄道美濃町線や八百津線が存在しましたが、廃止されています。

平成の大合併の影響

中濃地域の合併に関する議論は、当初は郡上郡、関市と美濃市、武儀郡、美濃加茂市と加茂郡、可児市と可児郡の3つの枠組みで進められました。しかし、武儀郡武芸川町の岐阜市との合併提案や、可児市と御嵩町の公有地に関する対立等の問題が生じました。この結果として、最終的に合併を実現したのは郡上市、関市、可児市の3つのエリアのみとなりました。

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