中田薫 (法学者)

中田 薫について

中田 薫（なかだ かおる）は1877年3月1日に生まれ、1967年11月21日に亡くなった日本の法制史家です。彼は山梨県甲府市に生まれ、日本法制史を専門とし、東京大学の名誉教授としてその名を残しました。中田は法学博士の学位を持ち、さらに貴族院議員としても活動しました。

経歴

中田は第二高等学校を卒業後、1900年に東京帝国大学法科大学の政治学科を修了しました。在学中、彼は法制の研究に情熱を注ぎ、その後東京大学の大学院に進学しました。1902年には東京帝国大学法科大学の助教授となり、1908年から1911年までは文部省の外国留学生としてヨーロッパで学びました。この期間に、彼は多くの古典的法律文献や外国の法制度を学びました。

1911年に教授職に就き、その後、1937年まで東京大学に在籍しました。彼は1910年に法学博士の学位を受け、1925年には帝国学士院の会員にも選ばれました。その後も多くの学術的業績を残し、1946年には文化勲章を授与され、1951年には文化功労者として認定されました。

また、1946年には貴族院の勅選議員に任じられ、1947年までその地位にありました。彼の遺骨は青山霊園に埋葬されています。

業績

中田は従来の中国の法制に基づく研究から脱却し、外国との比較による新たな視点を取り入れた法制の研究を進めました。彼の代表的な著作である『徳川時代の文学に見えたる私法』は多くの読者に親しまれています。彼の門下には東京大学の中世史研究の基礎を築いた石井良助や、唐令研究で脚光を浴びた仁井田陞などがいました。また、古代史や中世史研究の専門家である石母田正にも大きな影響を与えています。

家族・親族

中田の家族には、叔父に宮内官僚の上野季三郎、父に東宮主事を務めた中田直慈がいます。彼の妻は実業家の竹内綱の六女である榮であり、義兄には内閣総理大臣を務めた吉田茂（妻・榮の兄）がいます。

主な著書

中田の著書には、特に以下のものが評価されています：

• - 『徳川時代の文学と私法』（半狂堂、1923）
• - 『法制史論集 第一卷 相続法、親族法』（岩波書店、1926）
• - 『日本法制史講義』（創文社、1983）

また、彼は近代日本の法制度を研究した多くの論文や研究書を執筆し、学術界に大きな貢献をしました。特に彼の法制史論集は現在でも多くの学生や研究者に利用されています。

参考文献

中田の業績や生涯について知りたい場合は、北康宏が執筆した伝記『中田薫』（吉川弘文館、2023年）を参照することをお勧めします。彼の影響は、法制史の研究における新たな視点を提供し、後の学問に継承され続けています。

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