中華ソビエト共和国

中華ソビエト共和国について

中華ソビエト共和国（ちゅうかソビエトきょうわこく、繁: 中華蘇維埃共和國、簡: 中华苏维埃共和国）は、1931年11月7日に中国共産党によって江西省瑞金を首都として樹立されました。その国の標語は「全世界無產階級和被壓迫的民族聯合起來」（万国の労働者・被抑圧民族団結せよ！）であり、国歌として「国際歌」が採用されていました。この政権は、約6年にわたり続きましたが、最終的には中国国民党の圧迫と内部の変動により実質的に消滅しました。

建国の背景

中華ソビエト共和国の成立は、1927年の南昌起義の失敗や上海クーデターによって中国共産党が勢力を失っていた状況下でした。共産党はその後、江西省瑞金に共産主義勢力を結集し、「中華ソビエト共和国臨時政府」を設立しました。この際、憲法大綱においては連邦制を採用し、特にチベット・東トルキスタン・内モンゴルを自治邦とすることを定めていました。

主な出来事

対日宣戦

1932年4月26日、共和国政府は日本に対し敵対的措置を講じ、宣戦布告を行いました。この動きは当時の国際状況や国内外の圧力を踏まえたものでした。

長征

1934年に入ると、中国国民党の攻勢が激化し、共和国はもはや防衛体制を維持できなくなりました。このため、中国共産党は新たな拠点を求めて「長征」を開始しました。この長期の移動中、共和国の政府機能は停止し、延安にたどり着いた時には実質的な統治機能は消滅したままでした。長征は共産主義者にとって重要な歴史的出来事であり、彼らの結束を象徴するものでもありました。

国共内戦と国共合作

1937年には、西安事件によって国民党の蔣介石と共産党の合作が成立しました。これにより、中華ソビエト共和国は名目上と事実上、中華民国の統治下に入ることになり、最終的には解体され、中華民国陝甘寧辺区政府に変わりました。これとの合作は、共産党にとって国民党との一時的な共闘を意味したものの、その後の国共内戦につながっていきました。

指導者と内部構造

政権のトップには毛沢東が位置し、彼は中央執行委員会主席として重要な役割を果たしました。そのほかにも、項英、張国燾、朱徳などが主要な指導者として活躍しました。毛沢東は予期せぬ状況や挑戦に対応するため、常に柔軟な戦略により党の他のリーダーたちと協力しながら政権を維持しました。

対外関係

中華ソビエト共和国は中華民国を「反革命のブルジョワ政府」として強く批判していました。また、福建事変を経て成立した中華共和国に対しては初期に援助を行っていましたが、後にその立場が変わり、援助を打ち切りました。国際的な関係は、内外の圧力に応じて変動し、共和国内部の整合性を求めるための難しい選択を強いられました。

まとめ

中華ソビエト共和国の歴史は、短い期間の中で多くの出来事を通じて形成されました。共産党の立場や理想が試される場であったこの政権は、その後の中国の近代史に不可欠な要素を提供しました。

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