中越国境

中越国境について

中越国境は、中華人民共和国とベトナム社会主義共和国の間の国境であり、両国間の複雑な歴史と地政学的な関係を反映しています。

陸上国境

陸上国境は、約1,444kmに及び、西は中国、ベトナム、ラオスの三国国境地点である十層大山から、東は北崙河の河口まで広がっています。この国境線は、山岳地帯を通り、河川に沿って設定されている箇所も存在します。

紅河は、龍堡河合流点から南溪河合流点までが国境線の一部となっています。この地域は、中国とベトナムの少数民族が居住する地域でもあります。

海上国境

海上国境は、トンキン湾と南シナ海に位置しており、南沙諸島や西沙諸島の領有権をめぐって、両国間で紛争が発生しています。これらの島々の領有権と、周辺海域の領海をめぐる問題は、未解決のまま残されています。

歴史

中越国境の原型は、11世紀の宋越熙寧戦争後に形成されました。この国境線は、現在の国境線とほぼ同じ位置にあります。

19世紀には、清仏戦争後の天津条約(1885年)によって、清（当時の中国）とベトナム（当時はフランス領インドシナの一部）の間の国境が確定しました。この条約に基づき、両国の代表者による委員会が組織され、国境画定作業が行われました。その結果、1887年に新たな国境が定められました。

フランスは、ドンダンに対する中国の主張を拒否した一方で、バクロンヴィー島（白龍尾島）を中国に譲渡しました。また、雲南省とトンキンの境界地域についても、ベトナムに猛梭と猛賴を、中国に馬白関と南丹山の間の土地を譲渡することで解決されました。

1887年の条約と1895年の追加条約は、ベトナムと中国の国境を決定する最初の国際的な法的文書とされています。これらの条約に基づき、モンカイからラオス国境まで341本の国境標が設置されました。

しかし、国境確定作業は、不完全な技術的条件や不明確な文書に基づいて行われたため、国境標が損傷したり、紛失したりすることがありました。また、国境とは関係なく人々が移動したため、国境管理に困難が生じました。

20世紀以降

20世紀には、国共内戦時において、共産党軍が第一次インドシナ戦争でフランス軍と戦っていたベトナム人を支援するため、ベトナム付近の国境を補給所として利用しました。

交通路

中越国境には、複数の交通路が存在します。1991年には国境貿易に関する協定が締結され、1992年には21の交易ポイントが開設されました。そのうち4つは国境検問所を兼ねています。

鉄道は以下の2路線が中越国境を通過しています。

昆河線 - ハノイ・ラオカイ線: ラオカイで接続し、滇越鉄道（中越鉄道）として知られ、メーターゲージが採用されています。
湘桂線 - ハノイ・ドンダン線: 友誼関で接続されています。

脚注

詳細については、以下の資料をご参照ください。

International Boundary Study No. 38 – December 15, 1978 China – Vietnam Boundary

関連項目

中越関係
中仏関係
中越国境紛争
友誼関
九段線
* バクロンヴィー島

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