中郡 (京都府)

中郡（なかぐん）

中郡は、かつて京都府に存在した郡です。古代には丹波郡と呼ばれ、丹後国が丹波国から分かれた後も中世までその名で呼ばれていました。現在の京丹後市の一部に相当します。

歴史

古代

続日本紀によると、713年に丹波国から5つの郡が分かれて丹後国が成立したとされています。この時、丹波郡もその一部でした。この地域には、崇神天皇の時代の四道将軍の一人である丹波道主命が善政を敷いたという伝説が残っています。

この地域からは、縄文時代の土器や石器が発掘されていますが、その量は多くありません。弥生時代には大規模な集落が形成され、峰山の途中ケ丘遺跡や扇谷遺跡などが良く調査されています。また、カジヤ古墳や湧田山古墳群などの古墳も発掘・研究されています。

郷

平安時代に作られた『和名類聚抄』には、郡内の郷として以下のものが記録されています。

大野郷
新治郷（新沼郷とも）
丹波郷
周枳郷
三重郷
神戸郷
口枳郷

式内社

『延喜式』神名帳には、郡内の式内社が記録されています。

中世

室町時代までは丹波郡の名称が使われていたことが確認できます。戦国時代末期には、この地域の峰山に城がありましたが、織田信長の武将である明智光秀と細川藤孝によって攻略されました。平定後、丹後国は細川藤孝に与えられ、関ケ原の戦い後には京極氏が丹後一国を支配しました。京極氏が1602年に実施した検地では、中郡という名称が使用されています。その後、丹後は小さな藩や天領に分割され統治されました。

近世以降の沿革

明治初期の支配状況は「旧高旧領取調帳」に記載されており、幕府領は久美浜代官所が管轄していました。（1町35村）

1868年：幕府領が府中裁判所の管轄となり、その後久美浜県の管轄となる。
1871年：廃藩置県により、藩領が峰山県、宮津県の管轄となる。その後、全域が豊岡県の管轄となる。
1876年：京都府の管轄となる。
1879年：郡区町村編制法の施行により、行政区画としての中郡が発足。郡役所が峰山町に設置。
1889年：町村制の施行により、以下の町村が発足（1町11村）。
峰山町
吉原村
五箇村
長善村
大野村
常吉村
三重村
五十河村
周枳村
河辺村
新山村
丹波村
1892年：大野村が分割し、口大野村と奥大野村が発足。（1町12村）
1899年：郡制を施行。
1918年：丹波村の一部と吉原村の一部が峰山町に編入。
1923年：郡会が廃止。郡役所は存続。
1926年：郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
1951年：口大野村・奥大野村・常吉村・三重村・周枳村・河辺村が合併して大宮町が発足。（2町6村）
1955年：峰山町・吉原村・五箇村・新山村・丹波村が合併し、改めて峰山町が発足。（2町2村）
1956年：五十河村が大宮町に編入。その後、長善村が分割され、一部が峰山町に、残りが大宮町に編入。（2町）
2004年：峰山町・大宮町が竹野郡の各町と合併して京丹後市となり、中郡は消滅しました。

行政

歴代郡長

歴代の郡長については、詳細な情報が不足しています。

脚注

注釈

特筆すべき注釈はありません。

出典

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 26 京都府・上巻、角川書店、1982年7月1日。ISBN 4040012615。
旧高旧領取調帳データベース
市町村行財政研究調査会 研究調査報告書

関連項目

消滅した郡の一覧
中郡 - 神奈川県にある同名の郡。

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