中郷 (薩摩川内市)

薩摩川内市中郷の詳細

概要

中郷（ちゅうごう）は、鹿児島県薩摩川内市に位置する町丁で、旧薩摩国薩摩郡に属していました。郵便番号は895-0072です。中郷一丁目から中郷五丁目、そして中郷町があり、一部で住居表示が実施されています。2020年10月1日現在の人口は5,108人、世帯数は2,189世帯です。

地理

薩摩川内市の西部に位置し、川内川の下流域に広がっています。北には田海町や高城町、南には東大小路町や原田町、西には国分寺町、東には川内川を挟んで天辰町や白浜町と接しています。

町の中央部を南北に国道267号が走り、南部には九州新幹線の高架が通っています。中央部には中郷下池があり、中郷上池は隣接する運動公園町に位置しています。

教育施設としては、北東部に薩摩川内市立育英小学校があります。

河川

川内川（町域の東端を南北に流れる）

湖沼

中郷下池
天神池

町名の由来

「中郷」という地名は、古代の託万郷が三つに分かれた際、この地域が中央に位置していたことに由来します。西部は高城郷、東部は東郷でした。

歴史

成立から町村制施行まで

中郷の地名は平安時代末期から見られ、当時は薩摩国の一部でした。この地は「和名類聚抄」に見える高城郡託万郷の一部であり、後に東郷と高城郷に分割され、さらに東郷が東郷と中郷に分割されました。戦国時代には渋谷東郷氏の支配下にありましたが、後に島津氏に所領を献上し、川北部は薩州家島津義虎に与えられました。

江戸時代には、薩摩郡中郷（外城）の一部で、中郷村のみで構成され、小之郷に位置づけられました。明治3年には東郷に編入され、薩摩郡東郷の一部となりました。村高は「検地目録」や「天保郷帳」には1,888石余、「旧高旧領取調帳」には1,303石余と記載されています。

町村制施行以後

1889年（明治22年）4月1日、町村制施行に伴い、田海村、白浜村、中郷村が合併し下東郷村が成立。中郷村は下東郷村の大字「中郷」となりました。

1957年（昭和32年）4月1日、下東郷村が川内市、東郷町、高城村に分割編入。大字中郷の区域は全域が川内市に編入されました。同年4月15日、大字中郷が廃止され、その区域をもって川内市の町「中郷町」が設置されました。

1981年（昭和56年）には一部が原田町と東大小路町に分割され、1992年（平成4年）には土地区画整理法に基づき、原田町と中郷町の一部から「中郷一丁目」から「中郷四丁目」が設置されました。2000年（平成12年）には中郷町の一部が運動公園町に分割され、同年12月8日には中郷町の一部から「中郷五丁目」が設置され、一部が中郷三丁目、中郷四丁目に編入されました。

2004年（平成16年）10月12日、川内市を含む周辺の市町村が合併し、薩摩川内市が成立。合併協議会により、川内市の町・字は現行通りとされ、名称の変更は行われずに薩摩川内市の町となりました。

字域の変遷

（詳細な変遷については、上記の歴史の項を参照ください。）

文化財

国指定

新田神社文書（百二十四通）九巻、一枚（有形文化財（古文書））
船大工樗木家関係資料（有形文化財（古文書））

県指定

里八幡神社の大般若波羅蜜多経（有形文化財（書跡・典籍））

市指定

宥印法印文書（有形文化財（古文書））
清水寺経壺（有形文化財（考古資料））
青磁蓮花唐草文碗 青磁櫛描き文皿（有形文化財（考古資料））
平佐焼絵形（有形文化財（歴史資料））
熊野神社板碑（有形文化財（歴史資料））
ロザリオ聖母踏絵（有形文化財（歴史資料））
中郷虚無僧踊（無形民俗文化財）
中郷太鼓踊（無形民俗文化財）

施設

公共

薩摩川内市消防局本部・中央消防署
川内歴史資料館
野間島公園

教育

薩摩川内市立育英小学校
育英保育園
中郷保育園

郵便局

川内中郷郵便局

寺社

宅満寺

人口・世帯数

2020年10月1日現在、中郷一丁目から中郷五丁目、中郷町の人口と世帯数は以下の通りです（詳細は省略）。

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合、学区（校区）は以下の通りとなります（詳細は省略）。

交通

道路

国道267号

参考文献

『日本歴史地名体系 47 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 4-582-49047-6。
“令和3年度薩摩川内市の教育” (PDF). 薩摩川内市教育委員会.

関連項目

中郷 (曖昧さ回避)

もう一度検索