丸子橋

丸子橋（まるこばし）

丸子橋は、多摩川の下流に位置する主要地方道であり、東京都道・神奈川県道2号東京丸子横浜線（通称・中原街道）の一部を担う橋梁です。この橋は、東京都大田区田園調布本町と神奈川県川崎市中原区上丸子八幡町の間に架けられており、東京都がその管理を行っています。多摩川の河口から13.0キロメートルの地点にあり、鉄道橋を除くと、ガス橋と二子橋の間に位置しています。

丸子橋の特徴的な点は、東京都と神奈川県の境界がこの橋を通過することです。橋は片側2車線の道路で構成されており、その上を中原街道が走っています。さらに、上流側には東急東横線と東急目黒線の多摩川橋梁、下流側には東海道新幹線の多摩川橋梁という2つの鉄道専用橋が近接しています。丸子橋は、これらの橋の間に位置する形で架けられています。

歴史

初代の丸子橋は1934年（昭和9年）に建設され、1990年に「かながわの橋100選」に選ばれるほど、リズミカルなアーチを持つ美しいデザインが特徴でした。しかし、老朽化と交通量の増加に対応するため、東京都と川崎市は共同で橋の架け替えを行い、2000年（平成12年）に現在の2代目橋が完成しました。2代目の丸子橋は長さ405.6メートル、車道幅17メートル、両側に4メートル幅の歩道を備えており、鋼ローゼによる2連構造の3径間連続PC箱桁橋です。

丸子の渡し

丸子橋の周辺には、古代から運行されていた丸子の渡しがあります。この渡し舟は、武蔵国と橘樹郡の境界に位置する多摩川を渡るための重要な交通手段でした。古代の東海道もこの渡しを通過しており、835年にはすでに運行されていたことが記録されています。1884年には橋の建設が求められるようになりましたが、悪天候の日には運航が中止されたため、その後1934年に廃止されました。2006年以降、「丸子の渡し復活協議会」が地域住民によって結成され、毎年この渡しを再現するイベントが開催されています。

丸子橋の文化

丸子橋は、周辺地域の文化にも影響を与えています。特に、桜坂と呼ばれる旧道の坂道部分は桜の名所として知られ、多くの歌謡曲にも取り上げられています。また、テレビドラマなどの撮影場所としても頻繁に利用され、地域の象徴的な存在となっています。

近隣の橋

丸子橋の近隣には様々な橋が存在します。上流には東急田園都市線の多摩川橋梁や多摩川橋（第三京浜道路）、下流にはガス橋や品鶴線多摩川橋梁があります。このように、丸子橋は多摩川沿いの交通網において重要な役割を持つ橋梁なのです。

丸子橋はその歴史と文化、地域の交通の要所として、今も多くの人々に利用され、親しまれています。

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