丸尾英司

丸尾英司（まるおえいじ）氏は、1972年 4月26日に兵庫県姫路市で生まれた、日本の元プロ野球選手、社会人野球選手、そして指導者です。

アマチュア野球での軌跡

野球への第一歩は地元の網干中学校で踏み出し、中学時代には完全試合を達成するなど、早くからその才能を開花させました。高校進学に際しては、強豪校である東洋大姫路からの誘いがありましたが、より自由に野球に取り組める環境を求めて、地元の姫路南高校へ進学します。高校では1年生の夏からエースとしてチームを牽引し、2年生、3年生の夏には兵庫県大会でベスト16まで進出する実績を残しました。

高校卒業後は佛教大学に進学。京滋大学リーグにおいて、通算30試合に登板し25勝1敗という驚異的な成績を残します。この間、最優秀選手に3回、最優秀投手に2回、ベストナインに4回選ばれるなど、リーグ屈指の投手として君臨しました。特に、4年生の春にかけてはリーグ記録となる18連勝を達成。1992年秋季リーグ戦では京都学園大学相手にノーヒットノーランを成し遂げ、明治神宮大会では完封勝利を飾るなど、大学球界を代表する投手として注目を集めました。

1993年には、大学3年生ながら日本・キューバ対抗戦の日本代表に選出される快挙を達成。後のプロ野球選手である山部太氏らを抑え、第1戦の先発マウンドに上がり、3回をわずか2安打無失点に抑える好投を見せ、プロ球団から熱い視線を浴びることとなります。一方で、大学生活では講義に真面目に出席したり、一人暮らしをしながら週2回コンビニエンスストアで深夜アルバイトをするなど、ごく一般的な学生としての側面も持ち合わせていました。大学選手権では、3年時には準優勝する関東学院大学と対戦し惜敗、4年時には初戦を完投で突破するものの、2回戦で日本体育大学に完封負けを喫しています。

プロ野球での挑戦

1994年のプロ野球ドラフト会議において、オリックス・ブルーウェーブから2位指名を受け入団。佛教大学からは初のプロ野球選手誕生となりました。入団時の契約金は8000万円、年俸は1000万円（いずれも推定）でした。

プロ入り後、1996年にはジュニアオールスターゲームで先発投手として勝利投手となり、優秀選手賞を受賞する活躍を見せましたが、一軍での登板機会は限られ、オリックスでの5年間でわずか14試合の登板にとどまりました。そして、1999年10月6日に球団から戦力外通告を受けます。

翌2000年、テストを受けて大阪近鉄バファローズに入団。年俸は800万円でした。近鉄ではキャリアで最も多い19試合に登板しますが、同年オフに再び戦力外通告を受け、プロ野球界を離れることとなりました。

社会人野球での再生と指導者への道

プロ野球を離れた後、投手陣の補強を検討していた松下電器（現パナソニック）から誘いを受け、2000年11月30日に入社試験を受け、同年12月1日付で入社します。当時の野球部長であった鍛治舎巧氏からは、野球に取り組む姿勢を高く評価されていたといいます。

社会人野球選手として再出発した丸尾氏は、2001年シーズンから先発、抑えとして活躍。2年目の2002年には都市対抗野球で21回3分の2を投げて防御率0.42という安定した投球で2勝を挙げ、チームの13年ぶりとなるベスト4進出に大きく貢献しました。同年の日本選手権でも1勝、防御率1.50と年間を通じて安定した成績を残し、この活躍が評価され、元プロ野球選手としては史上初となる社会人ベストナインに選出されました。さらに、2003年1月には日本スポーツ賞の優秀選手賞を受賞するなど、社会人野球でも確固たる地位を築きます。2004年には投手コーチを兼任しながら現役を続行しますが、この年は主要大会での登板がなく、同年オフに現役を引退しました。

2005年からはコーチ専任となり、チームの指導に尽力。同年にはチームの社会人野球日本選手権大会2度目の優勝に貢献しました。翌2006年限りで一度チームを離れましたが、2008年からヘッドコーチとして現場に復帰。再びパナソニック野球部の指導者として活動し、2015年をもってヘッドコーチ職を勇退しました。その後も同野球部の採用アドバイザーとして、チームに貢献を続けています。

投球スタイル

投手としては、サイドスローからの投球が特徴でした。最速143km/hの速球とスライダーを主な武器としていましたが、プロの舞台ではこれらの球種だけでは対応しきれない厳しさを痛感。プロ3年目の1997年にはシュート、1999年にはフォークボールを習得するなど、投球の幅を広げる努力を重ねました。

主な記録と背番号

初登板: 1995年6月17日対千葉ロッテマリーンズ9回戦（千葉マリンスタジアム）
初奪三振: 同上（9回裏にピート・インカビリアから）
初先発: 1997年9月28日対千葉ロッテマリーンズ24回戦（千葉マリンスタジアム）
初勝利・初先発勝利: 1997年10月5日対近鉄バファローズ27回戦（グリーンスタジアム神戸）

背番号

オリックス・ブルーウェーブ：14 （1995年 - 1999年）
大阪近鉄バファローズ：49 （2000年）

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