丸毛兼利

丸毛 兼利（まるも かねとし）

丸毛兼利は安土桃山時代から江戸時代初期にかけて名を馳せた武士であり、大名でもあります。彼は豊臣秀吉の家臣として多くの戦役に従軍し、数々の功績を残しました。彼は多くの諱を持ち、親吉、安職、兼頼、長隆などで知られ、通称は三郎兵衛という名前で親しまれています。名字は「丸茂」とも表記されます。

略歴

兼利は美濃国多芸郡の国衆であった丸毛光兼の子として生まれました。初め彼は父と共に斎藤龍興に仕官しましたが、永禄10年（1567年）頃に織田信長に仕官を変えました。彼の名が文献『信長公記』に記載され、光兼と兼利の両名が家族であることが知られています。

天正元年（1573年）7月、彼と父は将軍足利義昭が拠る山城槇島城の攻略戦に参加しました。その後、越前の朝倉義景の征伐にも親子で参加し、近江大嶽城に配置されました。また、天正2年（1574年）には越前一揆の際にもその名が見られ、同年の第三次伊勢長島攻めにも参加し、信長の指揮下で戦っていました。この時点での彼らは信長の馬廻りとして活動していたと考えられています。

天正10年（1582年）に本能寺の変が発生した後、兼利は羽柴秀吉に仕官します。1584年の小牧・長久手の役では秀吉に従軍し多芸郡に出陣し、そこで直江城を築かせ兼利が城主となりました。1587年の九州の役や1590年の小田原の役でも活躍し、戦術の才を発揮しました。

関ヶ原の役

関ヶ原の役において、彼は石田三成側に与し、西軍の一員として福束城に籠もりました。しかし、東軍の市橋長勝らによって城が攻められ、最終的に福束城は落城しました。兼利は西軍の敗北に伴い改易され、その後は加賀へ逃れ、前田利常に仕官し2,000石を領しました。晩年は剃髪し、道和と称しました。

晩年と子孫

兼利は正保4年（1647年）に亡くなりました。その死は90歳から100歳近い長命であったとされていますが、異なる説も存在します。彼の子孫は加賀藩士として続き、弟の利勝は早くから徳川家康に仕官し、江戸時代には多くの系譜に分かれて旗本として存在しました。

登場作品

兼利の生涯は漫画やアニメ作品『丸毛戦記：福束城主・丸毛兼利奮戦記』で描かれています。彼の物語は日本の歴史の中で興味深い一つの章を形成しています。

参考文献

• - 高柳光寿; 松平年一『戦国人名辞典』（増訂版）吉川弘文館、1981年
• - 谷口克広; 高木昭作（監修）『織田信長家臣人名辞典』吉川弘文館、1995年
• - 吉岡勲「国立国会図書館デジタルコレクション 第三章 福束城と丸毛氏」『輪之内町史』輪之内町、1981年
• - 伊東実臣『国立国会図書館デジタルコレクション 美濃明細記』一信社出版部、1932年
• - 黒川真道 編『国立国会図書館デジタルコレクション 美濃国諸旧記』国史叢書、1915年

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