主教祈祷

主教祈祷について

主教祈祷（しゅきょうきとう）とは、正教会において主教が営む公の祈りを指します。ギリシア語では「ἀρχιερατικὴ λειτουργία」、ロシア語では「Служение Архиерея」または「Архиерейское Богослужение」と呼ばれています。これは、総主教や大主教、府主教、主教といった地位を持つ人物が司る特別な奉神礼を意味し、通常、司祭や輔祭も共に祈りを捧げます。

特徴

主教祈祷は多様な奉神礼において中心的な役割を果たしており、聖体礼儀や各種の時課、モレーベン、パニヒダ、また埋葬式などの臨時祈祷が含まれます。これらの奉神礼において、主教祈祷と司祭祈祷は基本的な構成は共通していますが、細部において異なる点があります。たとえば、聖体礼儀の中での聖三祝文の歌唱方法などです。

主教祈祷において使用される祈祷書には、チノヴニクやアルヒエラティコという名称があり、また場合によってはギリシア語のメガ・エフホロギオも利用されます。これには主教、司祭、輔祭が利用する祈りの文章がまとめられています。

祭具の使用

主教祈祷では、使用される祭具の種類が司祭祈祷に比べて多くなります。具体的には、主教が使用するディキリやトリキリ、そして主教の足元に配置されるオルレツという敷物が含まれます。さらに、長輔祭は主教祈祷の補助を行い、副輔祭は主教に関連する祭具の取り扱いや祭服の着脱を支援します。

神品機密の特権

特に聖体礼儀の中で行われる神品機密は主教だけが執行することが許されており、そのためこの儀式は必然的に主教祈祷の一部となります。これは主教の役割の重要性を反映しており、主教祈祷が正教会の教えと伝統に深く根ざしていることを示しています。

結論

主教祈祷は、正教会の信仰と奉仕の中心にある重要な儀式であり、主教が630種の祭具を用いて営む精神的な儀式です。この奉神礼は、教会の共同体において神聖な役割を持ち、信者たちに深い霊的な経験を提供します。主教祈祷の理解は、正教会の信仰や伝統を深める上で重要な要素といえるでしょう。

もう一度検索