久留米・鳥栖テレビ・FM放送所

久留米・鳥栖テレビ・FM放送所について



福岡県那珂川市佐賀県鳥栖市にまたがる九千部山に設置された久留米・鳥栖テレビ・FM放送所は、福岡県筑後地方佐賀県南東部におけるテレビ・FM放送の基幹送信所です。

概要



この放送所は、地理的な要因から福岡都市圏でも多く利用され、九州北部の広範囲に電波を送信しています。しかし、鳥栖市の城山が電波を遮る山陰となり、久留米市の一部地域では韓国からの電波干渉によりNHK福岡の視聴が困難になるという問題が発生しました。

この問題を解決するため、国は2012年5月に「補完局」として“久留米東デジタルテレビジョン中継放送局”を設置する方針を決定し、同年12月にNHKに予備免許を交付しました。

所在地



放送所の所在地は以下の通りです。

在福局・NHK: 福岡県那珂川市大字五ヶ山字九千部643番地
SAGATV・FM佐賀: 佐賀県鳥栖市河内町柚比字頭野国有林3イ林小班


沿革



当初、放送所の設置場所は耳納山系も検討されましたが、筑後地方を広範囲にカバーできる九千部山に決定しました。この決定により、放送エリアは佐賀県の一部地域にも広がりました。

以下に放送所開設からの主な出来事をまとめました。

1964年8月31日: NHK福岡放送局と福岡のVHF民放3局が久留米中継局を開設。
1969年4月1日: 福岡放送久留米中継局が開局。
1971年7月7日: サガテレビが鳥栖中継局を開設。
1991年4月1日: ティー・エックス・エヌ九州(現:TVQ九州放送)久留米中継局が開局。
1993年9月1日: エフエム九州(現:CROSS FM)久留米中継局が開局。
1997年4月1日: 九州国際エフエム(現:LOVE FM)が当地を親局として開局。
2000年7月1日: エフエム佐賀鳥栖中継局が開局。
2005年11月1日: 鳥栖中継局でアナアナ変換作業を開始。
2006年3月29日: 鳥栖中継局のアナアナ変換作業が終了。
2006年12月1日: 久留米局と佐賀局で地上デジタルテレビジョン放送開始。
2007年1月15日: 久留米デジタルテレビ局の出力を増力。
2011年7月24日: アナログテレビ放送が終了。
2013年1月25日: 久留米東デジタルテレビジョン中継放送局が開局。
2014年7月17日: モバキャス鳥栖中継局予備免許交付。
2014年11月1日: モバキャス鳥栖中継局が開局。
2016年3月28日: 九州朝日放送RKB毎日放送がFM補完中継局を開局。
2016年6月30日: モバキャスが放送終了。
2020年7月17日: NBCラジオ佐賀鳥栖FM補完中継局の免許交付。

親局中継局の区分



この放送所では、親局中継局が複雑に入り混じっています。以下に整理します。

親局
NHK佐賀放送局 九千部山デジタルテレビ放送所(NHK佐賀デジタル総合・教育)
サガテレビ 九千部山デジタルテレビ放送所(デジタル)
ラブエフエム国際放送 福岡超短波放送
中継局
NHK福岡放送局 久留米テレビ中継局(NHK福岡デジタル総合・教育、アナログ総合・教育)
NHK福岡放送局 久留米東テレビ中継局(NHK福岡デジタル総合・教育)
RKB毎日放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
九州朝日放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
テレビ西日本 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
福岡放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
TVQ九州放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
NHK佐賀放送局 鳥栖テレビ中継局(NHK佐賀アナログ総合)
サガテレビ 鳥栖テレビ中継局(アナログ)
NHK福岡放送局 久留米FM中継局
エフエム福岡 久留米FM中継局
CROSS FM 久留米FM中継局
エフエム佐賀 鳥栖FM中継局
ジャパン・モバイルキャスティング 鳥栖送信所

デジタルテレビ放送



福岡県域の放送局は福岡タワー局の中継局として、佐賀県域の放送局は親局として扱われています。開始当初、空中線電力は福岡県側が3W、佐賀県側が10Wでしたが、後に福岡県側は30Wに増力されました。放送区域内世帯数は福岡県側が349,874世帯、佐賀県側が210,086世帯です。

アナログテレビ放送



アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって全て廃止されました。鳥栖中継局では、福岡タワー局の地デジ開始に伴い、アナアナ変換が実施されました。鳥栖市や基山町などでは、NHKアナログ教育は久留米中継局放送を視聴していました。

FMラジオ放送



LOVE FMの放送対象地域は、放送法令により「外国語放送実施地域」として定められた都市であり、福岡局では福岡市久留米市大牟田市及び佐賀市が該当します。

マルチメディア放送



JモバはNOTTVのサービス終了に伴い、2016年6月30日をもって放送を終了しました。

送信所配置について



アナログテレビ・FM放送では、NHKは久留米中継局全波と佐賀アナログテレビの鳥栖中継局を同じ場所から送信していました。TVQ・CROSS FMとLOVE FMはNHKの設備を間借りしていました。RKB・KBCとTNCは共同建設、FBSも後からこの施設を利用しました。FM FUKUOKAは親会社である九州電力の業務用無線基地から送信していました。

デジタルテレビ放送では、久留米中継局とNHK佐賀親局は、那珂川市側のNHK鉄塔に共同でデジタルテレビ送信アンテナを設置しました。これにより、佐賀県域のテレビ親局が福岡県に設置される形となりました。

脚注



この放送所に関する詳細な情報や出典については、以下のリンクをご参照ください。

九千部山

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