女性自衛官教育隊

女性自衛官教育隊について

女性自衛官教育隊（JGSDF Female Training Unit）は、陸上自衛隊の東部方面混成団隷下に属する教育部隊です。朝霞駐屯地に駐屯しており、女性自衛官の育成を一手に担っています。

概要

この部隊は、女性自衛官（WAC：Woman Army Corps）の教育を担当する専門部隊です。具体的には、自衛官候補生課程（女子）、一般曹候補生前期課程（女子）、陸曹候補生課程（女子）の教育を行っています。新隊員から陸曹候補生まで、女性自衛官の統合的な教育機関として重要な役割を果たしています。

特に、自衛官候補生（女子）の入隊においては、東部方面隊管轄の首都圏、信越地方、静岡県からの採用者が多く、希望に応じて他の道府県からの入隊も受け入れています。一般曹候補生（女子）は採用数が限られており、全国の都道府県から採用された女性隊員がここで教育を受けます。陸曹候補生課程は、各部隊・機関に所属する陸士長の女性自衛官が対象で、全国で唯一の女性陸曹教育隊となっています。

また、北部、東北、中部、西部の各方面混成団隷下の教育大隊や、陸上自衛隊通信学校通信教導隊（久里浜駐屯地）も自衛官候補生課程（女子）の教育を担当しています。

教育理念として、「強く、明るく、麗しく」を掲げ、自衛官としての基礎能力だけでなく、女性としての品格も備えた人材育成を目指しています。

教育内容

新隊員教育

自衛官候補生課程（女子）：約3ヶ月間、陸上自衛官として必要な基礎知識と技能を習得します。首都圏、信越地方、静岡県を中心に、希望に応じて他の道府県からの採用者も教育を受けます。
一般曹候補生前期課程（女子）：約3ヶ月間、陸上自衛官としての基礎知識と技能を習得します。各都道府県から採用された一般曹候補生（女子）が対象です。

陸曹教育

陸曹候補生課程（女子）：約3ヶ月間、初級陸曹として必要な共通知識と技能を習得します。各部隊・機関に所属する陸曹候補生たる陸士長の女性自衛官が対象です。

かつて担任した教育

一般曹候補学生前期課程（女子）：2007年度夏頃に教育を終了
曹候補士前期課程（女子）：2007年度夏頃に教育を終了
一般2等陸士前期課程（女子）：2010年度夏頃に教育を終了

いずれも約3ヶ月間（曹学については4ヶ月）、陸上自衛官として必要な基礎知識と技能を習得するための教育が行われていました。

沿革

1968年（昭和43年）3月25日：婦人自衛官学生隊が輸送学校隷下に編成。
1968年（昭和43年）4月1日：公募婦人自衛官（一般）幹部要員（WAC）が入校。
1968年（昭和43年）12月20日：婦人自衛官学生隊が第1教育団隷下に移り、婦人自衛官教育隊に改称。
2003年（平成15年）3月27日：女性自衛官教育隊に改称。
2008年（平成20年）4月：一般曹候補生前期課程（女子）の教育を開始。
2011年（平成23年）4月：自衛官候補生課程（女子）の教育を開始。
2011年（平成23年）4月22日：東部方面混成団隷下に隷属替え。
2017年（平成29年）：一部の教育要員が陸上自衛隊通信学校通信教導隊（久里浜駐屯地）に派遣、同地で自衛官候補生課程（女子）の教育を開始。
2018年（平成30年）：女性自衛官採用開始50年を迎え、1万4809人の女性自衛官が卒業。シンボルマークを公開。
2018年（平成30年）：部隊の英名をWAC Training UnitからFemale Training Unitに改称。
（時期未定）：システム通信団隷下の中央野外通信群と入れ替わる形で、部隊全体が久里浜駐屯地に移駐予定。

部隊編成

女性自衛官教育隊本部「女自教‐本」
総務科
訓練科
管理科
第1共通教育中隊「女自教‐1」
第2共通教育中隊「女自教‐2」

主要幹部

主要幹部については、現在の所属長の情報は公開されていません。

他の女性自衛官教育担任部隊

女性自衛官の教育は、以下の部隊でも行われています。

北部方面混成団第120教育大隊（真駒内駐屯地）
東北方面混成団第119教育大隊（多賀城駐屯地）
中部方面混成団第109教育大隊（大津駐屯地）
西部方面混成団第118教育大隊（久留米駐屯地）
陸上自衛隊通信学校通信教導隊（久里浜駐屯地）

これらの部隊は主に自衛官候補生課程（女子）の教育を担っています。

まとめ

女性自衛官教育隊は、長年にわたり陸上自衛隊の女性隊員の育成を担ってきた重要な部隊です。新隊員から陸曹候補生まで、各段階に応じた教育を提供し、多くの優秀な女性自衛官を輩出してきました。今後も、陸上自衛隊における女性の活躍を支える中心的な役割を担っていくことが期待されます。

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