久野修慈

久野 修慈（ひさの しゅうじ）氏は、1936年1月22日生まれの日本の実業家です。塩水港精糖株式会社の会長兼社長や会長職を歴任したほか、母校である中央大学の理事長や学員会会長も務めました。また、全国和菓子振興会の会長など、多岐にわたる団体の要職にも就きました。

経歴

久野氏は福井県に生まれ、福井県立藤島高等学校を卒業後、中央大学法学部政治学科で学び、1958年に卒業しました。大学を卒業した当初は法曹界を志しており、中央大学法学部の教授で元大審院判事の吉田久氏の書生として過ごしていました。その後、進路を変更し、1961年に大都魚類に入社します。2年後の1963年には大洋漁業へ移りました。

大洋漁業に在籍中、久野氏は社外取締役を務めていた白洲次郎氏の特任秘書として、およそ20年間にわたり仕えました。また、大洋漁業の取締役、常務、専務といった要職を歴任しました。この頃、大洋漁業のオーナーであった中部謙吉氏の指示を受け、プロ野球球団である大洋ホエールズの運営にも深く関わることになります。

球団の経営幹部として、久野氏は本拠地を川崎球場から横浜スタジアムへ移転させるプロジェクトなどを主導しました。そして1986年には、大洋漁業の専務と兼務する形で球団社長に就任しました。球団社長としては、監督に古葉竹識氏を招いたり、広島東洋カープのスカウト部長だった木庭教氏を招聘してスカウト部門の強化に努めました。この時期にチームに加わった選手には、後に主力となる石井忠徳氏（石井琢朗）、谷繁元信氏、野村弘樹氏などがいます。1989年に読売ジャイアンツの二軍監督だった須藤豊氏を横浜大洋ホエールズの一軍監督として迎える際には、当時の読売新聞社副社長だった渡邉恒雄氏に直接交渉したエピソードを後に語っています。

1990年に横浜大洋ホエールズの球団社長を辞任した後、久野氏は塩水港精糖株式会社の社長に就任しました。その後も実業界で精力的に活動し、1999年には精糖工業会の会長、日・玖経済懇話会副会長、農畜産業振興事業団理事、精糖工業会館社長などを務めました。2000年には全国和菓子振興会会長、食品産業センター理事、食品流通構造改善促進機構理事に就任。2001年には太平洋製糖の取締役、2002年には関西製糖の取締役を務め、中央大学南甲倶楽部の副会長にも就任しました。2003年には日清丸紅飼料の監査役、2004年には日本経済団体連合会の評議員となっています。2005年からは塩水港精糖の会長を務めながら、パールエースの社長も兼任しました。

中央大学関連では、2007年に学員会会長に就任し、2008年からは母校の理事長に就きました。しかし、2012年、中央大学横浜山手中学校の入学試験における「知人の孫の不正合格」問題に関与したとして、報酬の自主返納処分を受けます。その後、当時の総長兼学長ら教職員からの追及の結果、理事長職を解任され、退任に至りました。その後に福原氏の人格に問題があることが明らかになったこともあり、久野氏は中央大学の学員会会長に復帰しています。2016年現在も学員会会長を務め、2021年には塩水港精糖の代表取締役会長兼社長、2023年からは同社代表取締役会長の職にあります。

人物

久野氏の座右の銘は「感謝の気持、率直、熱して戦う」です。趣味は読書とスポーツ。血液型はA型です。

主な役職（過去・現在）

日本精糖工業会 会長
全国和菓子振興会 会長
社団法人 食品産業センター 理事
社団法人 食品流通構造改善促進機構 理事
中央大学 学員会会長

賞詞

旭日中綬章（2006年）
* 日本・キューバ友好勲章（2010年）

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