九ヶ錦坦平

九ヶ錦坦平（くがにしき たんぺい）

1913年5月15日、東京府東京市（現在の東京都台東区）に生まれた九ヶ錦坦平は、朝日山部屋に所属した大相撲力士です。本名は細山幸次郎といい、最高位は東前頭3枚目でした。

生い立ちと入門

幼少の頃から力士を志し、大関だった豊國福馬を頼って井筒部屋に入門しました。1930年5月場所で初土俵を踏み、その後、豊國が九重部屋を創設すると共に移籍しました。しかし、1933年に九重が廃業したため、朝日山部屋へ再移籍しました。

四股名は、当初は豊國が名乗っていた「陸錦」でしたが、読み間違いが多かったため、「九ヶ錦」に改名しました。

力士としての道のり

番付に名前が載るまで2年を要し、十両昇進も1938年5月場所と決して早い方ではありませんでした。これは、彼の相撲スタイルが受け身になりがちで、半身になることが多かったためとされています。しかし、1940年1月場所で新入幕を果たすと、その後約8年間、幕内力士として活躍しました。

当時、第二次世界大戦の影響で食料事情が悪く、5年以上幕内を維持する力士は三役以上か横綱に限られていました。そのため、九ヶ錦のように平幕力士でありながら長期間幕内を維持し続けたことは、非常に稀なケースでした。

引退後

1949年1月場所を最後に現役を引退。年寄「北陣」となり、その後「桐山」、「片男波」と名跡を変更しました。1957年5月場所で相撲界を去りました。

主な成績

• - 通算成績：170勝188敗2分 勝率.475
• - 幕内成績：86勝118敗2分 勝率.422
• - 現役在位：32場所
• - 幕内在位：16場所

各段優勝

• - 序二段優勝：1回（1932年10月場所）

金星

• - 照國から1個

改名歴

• - 細山 幸次郎：1930年5月場所-1932年5月場所
• - 豊泉 幸一郎：1932年10月場所-1935年1月場所
• - 陸錦 坦平：1935年5月場所-1939年1月場所
• - 九ヶ錦 坦平：1939年5月場所-1943年5月場所
• - 九ヶ錦 幸次郎：1944年1月場所-1947年11月場所
• - 九ヶ錦 坦平：1948年5月場所-1949年1月場所

関連項目

• - 豊國福馬
• - 大相撲力士一覧

九ヶ錦坦平は、その粘り強い相撲で、戦時中の困難な時代に多くのファンを魅了しました。その生涯は、大相撲の歴史において重要な一ページを刻んでいます。

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