亀山駅 (三重県)

亀山駅：歴史と変貌を遂げる三重の鉄道拠点

三重県亀山市御幸町に位置する亀山駅は、東海旅客鉄道（JR東海）と西日本旅客鉄道（JR西日本）の2社が乗り入れる、関西本線と紀勢本線の接続駅です。JR東海が所属線を有する当駅は、国鉄分割民営化以前は国鉄単独の管轄でしたが、民営化以降は両社の境界駅として機能しています。関西本線は名古屋方面と奈良方面を、紀勢本線は和歌山市方面へと繋いでいます。JR貨物も第二種鉄道事業許可を保有していますが、貨物取扱いは行っていません。

亀山駅の変遷：栄光と衰退、そして再生

亀山駅は、かつては機関区や客貨車区などを擁する、三重県内でも有数の鉄道拠点でした。名古屋や京都方面から伊勢、新宮方面に向かう多くの優等列車が当駅を経由し、特に伊勢・新宮方面から京都・奈良方面への運行においては、スイッチバックを避けるための重要な役割を担っていました。しかし、四日市―津間の経路が亀山駅を経由すると大きく迂回すること、そして名古屋方面から伊勢・新宮方面への運行でスイッチバックが発生することから、短絡線である国鉄伊勢線の建設が検討され、1973年の伊勢線開通により、名古屋方面の優等列車の多くが伊勢線経由へと変更されました。

モータリゼーションの普及も相まって、亀山駅の利用客数は徐々に減少。寝台特急「紀伊」の廃止（1984年）、京都方面からの急行列車の消滅（1987年）、そして2006年の急行「かすが」廃止により、当駅に停車する優等列車は全て消滅しました。かつての賑わいを偲ばせるのは、東西方向に1キロメートル以上に及ぶ広大な駅構内です。

現在では、快速と普通列車のみが発着し、関西本線名古屋方面、奈良方面（加茂駅乗換）、紀勢本線の3方向への運行形態となっています。日中の運行頻度は各方面とも1時間1本と、乗り換えの利便性を考慮したダイヤ編成となっています。全列車が当駅で折り返すため、ワンマン運転でも全てのドアが開くという特徴があります。また、かつては東海3県で最も最終列車の到着が遅い駅でしたが、2022年3月のダイヤ改正により、その座は豊橋駅に譲りました。

駅舎と構造：歴史と現代技術の融合

亀山駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、合計3面5線の地上駅です。通常は北側の2面3線を関西本線、南側の1面2線を紀勢本線で使用します。各ホームはエレベーター完備の跨線橋で連絡しており、バリアフリー化も進んでいます。駅舎は1913年竣工の2代目で、改修・増築を重ねながら現在も使用されています。駅舎内には自動改札機（TOICA・ICOCA対応）、自動券売機、JR全線きっぷうりば、待合所などが設置されています。

JR東海の管理下にあり、駅長と駅員が配置されています。関西本線の南四日市駅～井田川駅間、紀勢本線の下庄駅も管理下にあります。一方、JR西日本は駅員を配置しませんが、伊賀上野駅が営業管理事務を担っています。駅構内にはJR西日本の亀山運転区、吹田総合車両所京都支所亀山派出所、亀山指令所も存在します。

亀山駅の周辺環境と再開発

駅周辺は商業地と住宅地が混在し、消防署、警察署、紡績工場、文化会館、専門店街などが点在しています。鈴鹿川が駅の裏側を流れ、国道1号へのアクセス道路として三重県道302号線が整備されています。2020年には駅前で再開発事業が行われ、図書館、商業施設、分譲マンションが入居する複合施設「Kitto terrace」が完成しました。この再開発は2022年11月に完了し、新たな街並みが形成されています。

バス路線

亀山駅前には、三重交通バスと亀山市コミュニティバスが発着し、周辺地域へのアクセスを支えています。

亀山駅の未来

亀山駅は、歴史と変貌を遂げながら、現在も地域の重要な交通拠点として機能しています。今後の発展とともに、さらなる変化が期待されます。

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