亀戸大根

亀戸大根について

亀戸大根（かめいどだいこん）は、東京都江東区亀戸地域で古くから栽培されてきた、独特な形状を持つ大根です。江戸東京野菜の一つとして知られ、その歴史は江戸時代にまで遡ります。

歴史

亀戸大根のルーツは、江戸時代初期に現在の江東区砂町地域にもたらされた関西由来の大根にあるとされています。この大根が、地元で栽培されていた大根と交配を繰り返すうちに、亀戸特有の形質を持つようになったと考えられています。最盛期は文久年間から明治時代にかけてで、広く栽培されていました。1999年には、亀戸大根の栽培発祥を記念する碑が香取神社境内に建立され、その歴史を今に伝えています。

特徴

亀戸大根は、根の先端が細くなる円錐形が特徴的な白首大根の一種です。一般的な大根に比べて小ぶりで、ずんぐりとした形をしています。また、ビタミンCが豊富に含まれており、その量は普通の大根の約2倍にもなります。このため、栄養価の高い野菜としても注目されています。

栽培方法

亀戸大根は、もともと春の浅漬け用として栽培されていました。種まきは11月から12月に行われ、年を越して3月から4月にかけて収穫されます。アブラナ科の植物であるため、連作障害を起こしやすく、輪作年限は2年から3年とされています。栽培にあたっては、畑を深く耕し、平畝を作ります。畝の中央に株間30cmで、1箇所あたり5粒ほどの種を直接まきます。発芽後は間引きを行い、本葉が3枚の頃に1回目、5〜6枚の頃に2回目の間引きを行い、最終的に1本だけを残します。2回目の間引き後には、生育状況を見ながら追肥と土寄せを行います。収穫時期は、地上に出ている首の部分の直径が6cm程度になった頃です。収穫が遅れると鬆（す）が入りやすくなるため、適期を逃さないように注意が必要です。

参考文献

JA東京中央会 『江戸・東京ゆかりの野菜と花』、農山漁村文化協会、1992年、83頁。
JA東京中央会 『江戸・東京農業名所めぐり』、農山漁村文化協会、2002年、62-64頁。
大竹道茂 『江戸東京野菜 図鑑篇』、農山漁村文化協会、2009年、14-21頁。
金子美登『有機・無農薬でできる野菜づくり大事典』成美堂出版、2012年4月1日。

関連項目

江戸東京野菜
大蔵大根
* 練馬大根

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