二宮町(にのみやまち)とは
二宮町は、かつて
千葉県千葉郡に存在した町で、現在の
船橋市東部地域にあたります。
1889年(明治22年)に、滝台新田、薬園台新田、三山村、多喜野井村、前原新田、上飯山満村、下飯山満村の7つの村が合併して二宮村が成立し、
1928年(昭和3年)に町制を施行して二宮町となりました。町名は、地域で広い信仰を集めていた二宮神社(旧称:寒川神社)に由来します。
町の歴史
二宮町は、発足当初から周辺地域との関係が深く、特に津田沼(現在の
習志野市)や大和田(現在の八千代市)とは地理的にも近い関係にありました。二宮町域内には「習志野地名発祥の地」があり、戦前には、二宮町を含む7町村を合併して大
習志野市を建設する構想も存在しました。しかし、この構想は実現せず、戦後、二宮町は津田沼町との合併、または
船橋市への編入を巡り議論を重ねました。その結果、
1953年(昭和28年)
8月1日に
船橋市へ編入され、二宮町としての歴史を終えました。
沿革
1889年(明治22年)4月1日:町村制施行により、滝台新田、薬園台新田、三山村、多喜野井村、前原新田、上飯山満村、下飯山満村の7村が合併し、千葉郡二宮村が発足。
1928年(昭和3年)
11月10日:町制施行、
千葉郡二宮町となる。
1953年(昭和28年)8月1日:船橋市に編入、二宮町は廃止。
二宮村(町)成立時の合併村
滝台新田
薬園台新田
三山村
多喜野井村
前原新田
上飯山満村
下飯山満村
歴代村長・町長
二宮村・町の発展を支えた歴代の村長・町長は以下の通りです。
初代:三山安左衛門(明治22年~明治26年3月)
第2代:近藤多喜司(明治26年3月~明治28年4月)
第3代:三山安左衛門(明治28年5月~明治31年11月)
第4代:近藤五兵衛(明治31年11月~明治33年10月)
第5代:三山安左衛門(明治33年10月~明治41年10月)
第6代:林流之助(明治41年10月~大正13年11月)
第7代:近藤多喜司(大正13年11月~大正15年4月)
第8代:森田榮吉(大正15年5月~昭和5年5月)
第9代:近藤諒司(昭和5年5月~昭和6年10月)
第10代:助役(昭和6年11月~昭和6年12月)
第11代:高橋勝五郎(昭和7年1月~昭和8年7月)
第12代:仲村信蔵(昭和8年8月~昭和8年9月)
第13代:助役(昭和8年10月~昭和9年10月)
第14代:高橋益次郎(昭和9年11月~昭和10年10月)
第15代:助役(昭和10年10月~昭和12年3月)
第16代:林隆則(昭和12年4月~昭和21年10月)
第17代:助役(昭和21年11月~昭和22年3月)
第18代:高橋豊信(昭和22年4月~昭和26年4月)
第19代:佐野秋蔵(昭和26年4月~昭和28年7月)
村会・町会議員
二宮村・町の運営には、多くの議員が携わりました。その中には、遠藤佐十郎、加藤丑松、加藤茂雄、久保勇、古池きい、近藤五兵衛、近藤久司、榊原龍之助、佐野進一、橋本英一郎、林梅吉、森田信一、矢島龍雄などがいました。
交通
二宮町には、以下の鉄道路線が通っていました。
日本国有鉄道(現JR東日本)
総武本線:津田沼駅(二宮町と津田沼町にまたがる)
陸軍鉄道連隊演習線(1945年廃線):津田沼~千葉(習志野線)、津田沼~習志野原・松戸(松戸線)
新京成電鉄
新京成線:
高根木戸駅、習志野駅、薬園台駅
道路としては、成田街道(現
国道296号)と東金御成街道が通っていました。
町内の主な施設・機関
町村役場:千葉郡二宮町村役場(現:船橋市役所二宮出張所)
宗教施設
神社:二宮神社(寒川神社)、大宮神社、御嶽神社、神明神社、八幡神社、王子神社
寺院:神宮寺、道入庵、高幢庵、東福寺、清房院、光明寺、倶梨伽羅不動尊
教育施設
専門学校:帝国女子医学専門学校(現:東邦大学)、法政工業専門学校(
法政大学工学部の前身)
その他:千葉郡二宮町立二宮高等小学校(現:船橋市立二宮小学校)、千葉郡二宮町立二宮第二小学校(現:船橋市立薬円台小学校)、千葉郡二宮町立二宮中学校(現:船橋市立二宮中学校)
主な国の施設
陸軍習志野錬兵場
騎兵第1旅団(一部は津田沼町に属する)
陸軍習志野衛戍病院
陸軍騎兵学校
東部軍管区教育隊
習志野陸軍墓地
旧二宮町(村)域内にある文化財
国の登録有形文化財:旧近藤家住宅長屋門(飯山満町)
千葉県指定文化財:木造蔵王権現三尊立像(前原東)、下総三山の七年祭り(三山)
船橋市指定文化財:中野木の辻切り(中野木)、木造地蔵菩薩坐像(飯山満町)、板碑 (康永4年2月在銘)(飯山満町)、八十八ヶ箇所札所大絵馬(飯山満町)、飯山満町大宮神社の神楽(飯山満町)、二宮神社社殿(三山)、二宮神社の神楽(三山)、斎藤園女等奉納句額(三山)、習志野地名発祥の地(
薬円台)、観信の墓 附 木造地蔵菩薩像(
薬円台)
その他:空挺館(薬円台)、習志野原の永久堡塁(北習志野)
関連項目
習志野 - 「大
習志野市構想」について詳説しています。
外部リンク
* 分布図
二宮町は、その短い歴史の中で、周辺地域との繋がりを深めながら、独自の文化を育んできました。現在は
船橋市の一部となっていますが、その歴史と文化は今もなお、この地域に息づいています。