二岐山

二岐山（ふたまたやま）

二岐山は、福島県岩瀬郡天栄村と南会津郡下郷町にまたがる、奥羽山脈南部に位置する第四紀火山です。男岳と女岳の二つの峰が並ぶ双耳峰で、標高は1,544.3m。山頂には二等三角点が設置されており、大川羽鳥県立自然公園の一部として、豊かな自然が保護されています。

地理と地質

二岐山は、栃木県と福島県の県境付近に南北約20kmに分布する那須火山群の最北部に位置します。約14万〜9万年前に火山活動が活発で、安山岩からなる成層火山および溶岩ドームとして形成されました。特に、北北西方向に流れた溶岩流地形（岩山溶岩）が明瞭に残っているのが特徴です。

男岳（1,544.3m）の北西約0.5kmには女岳（1,504m）が並び、その双子のような山容が二岐山の大きな特徴となっています。この特徴的な形状から、ダイダラボッチが跨ごうとして山体が割れたという伝説も残っています。また、江戸時代の絵師である谷文晁が描いた「日本名山図会」にも二岐山が描かれており、古くからその存在が知られていました。

自然

山中には、ブナやアスナロの原生林が広がっており、豊かな自然が残されています。また、福島県の鳥であるキビタキやオオルリなど、多くの野鳥が生息する場所としても知られています。四季折々の変化に富んだ自然が、訪れる人々を魅了します。

登山

二岐山は、日本三百名山およびうつくしま百名山に選定されており、登山愛好家からも人気の高い山です。主な登山ルートは、登山口駐車場からブナ平を経由して山頂に至る約3.0kmのコースで、所要時間は約1時間40分です。登山道は比較的整備されており、初心者でも比較的登りやすいですが、登山靴や適切な服装などの準備は必要です。山頂からの眺望は素晴らしく、周辺の山々や自然を一望できます。

その他

二岐山は、その美しい自然と独特の山容から、多くの人に親しまれています。登山だけでなく、自然観察や写真撮影など、様々な楽しみ方ができる場所です。



脚注
地理院地図（電子国土Web）
* 日本の火山 二岐山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター

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