二条師嗣

二條 師嗣 (にじょう もろつぐ)

二條師嗣は、日本の南北朝時代から室町時代にかけて活躍した公卿であり、その生涯において数々の重要な官職を歴任しました。彼の経歴や地位の変遷を通じて、当時の政治情勢を知ることができます。

経歴

応永五年（1398年）、師嗣は関白として任命され、当時の権力者・足利義満に対し「准后禅閤（義満）芳恩に至り、尤っとも有難し」と述べるなど、その地位の重要性が認識されていました。しかし、同年の四月には、興福寺供養において馬副を連れて行かなかったことで義満の怒りを買い、関白の辞任を申し出ることになります。これに対して義満は「公家（天皇）に申さるべし」と突き返し、最終的には出家を余儀なくされる結果となりました。このように、彼の政治的な立場や権力の揺らぎは、当時の宮廷政治の厳しさを物語っています。

官職歴

二條師嗣は多くの官職を歴任しました。具体的な年表を以下に示します。

• - 左近衛権中将: 貞治5年9月26日（1366年10月30日）-
• - 右近衛権中将: 貞治5年12月7日（1367年1月7日）〜応安2年12月19日（1370年1月17日）
• - 播磨介: 貞治6年2月13日（1367年3月14日）〜応安元年2月21日（1368年3月10日）
• - 権中納言: 応安元年4月19日（1368年5月6日）〜応安4年3月12日（1371年3月29日）
• - 右近衛大将: 応安2年12月19日（1370年1月17日）〜応安3年11月19日（1370年12月7日）
• - 左近衛大将: 応安3年11月19日（1370年12月7日）〜永和2年正月（1377年1月）
• - 権大納言: 応安4年3月12日（1371年3月29日）〜永和元年11月18日（1375年12月11日）
• - 右大臣: 永和元年11月18日（1375年12月11日）〜永和4年8月27日（1378年9月19日）
• - 左大臣: 永和4年8月27日（1378年9月19日）〜永徳2年正月26日（1382年2月9日）
• - 関白: 康暦元年8月25日（1379年10月6日）〜永徳2年4月11日（1382年5月24日）
• - 関白: 嘉慶2年6月12日（1388年7月15日）〜応永元年11月6日（1394年11月29日）
• - 関白: 応永5年3月9日（1398年3月27日）〜応永6年4月17日（1399年5月22日）

これらの役職の変遷から、彼がいかに宮廷内の様々な地位を重んじられていたか、またその権力が変動した様子が伺えます。

位階歴

二條師嗣は位階においても大きな変化を遂げました。

• - 正五位下: 貞治5年8月29日（1366年10月4日）
• - 従四位下: 貞治6年正月5日（1367年2月4日）
• - 正四位下: 貞治6年7月22日（1367年8月18日）
• - 従三位: 応安元年2月21日（1368年3月10日）
• - 正三位: 応安2年正月5日（1369年2月12日）
• - 従二位: 応安4年正月5日（1371年1月22日）
• - 正二位: 応安6年正月6日（1373年1月30日）
• - 従一位: 永和5年正月6日（1379年1月24日）

これらの昇進は、彼の政治的影響力と能力を示すものであり、彼が公家社会において重要な役割を果たしていたことが明らかになります。

系譜

二條師嗣の家系もまた興味深いものです。彼の父は二条良基、母は土岐頼康の女です。また、彼は参議東坊城長綱の娘を妻に迎え、次男として二条持基をもうけました。生母不明の子女として、二条満基を持っています。

このように、二條師嗣の生涯は日本の歴史の中で重要な役割を果たしたことがわかります。彼の政治的な業績や家系は、当時の公家社会を理解する上で重要な要素となります。

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