二条持基

二条持基の生涯

二条持基（にじょう もちもと）は、室町時代中期に活躍した公卿及び歌人です。彼の父は関白を務めた二条師嗣、その母は参議の東坊城長綱の娘です。初名は基教（もとのり）でありましたが、後に持基として知られるようになりました。

持基は応永17年（1410年）に兄・満基が急死した際、その養子となり家を継ぎます。応永31年（1424年）には称光天皇の関白に就任し、さらに正長元年（1428年）には天皇の崩御に伴い摂政に転職、続いて永享5年（1433年）には再び関白に就任し、死去までその地位を保持しました。彼の官位は最終的には従一位太政大臣に達しました。

持基は文才にも恵まれ、特に書道や歌道において高い技能を持ち合わせていました。京都郊外の岩倉にある別邸では度々歌会を開き、彼の詠んだ和歌は『新続古今和歌集』に収められています。このように彼は、政治的な地位にありながらも文化面でも重要な影響を与えた人物です。

彼の死は文安2年（1445年）11月3日に訪れ、享年は56歳でした。持基の家督は、子の持通が引き継ぎました。

経歴

持基の官歴は非常に多岐にわたります。具体的には、以下のような経緯があります:

• - 応永16年（1409年）: 正五位下左近衛少将に昇進。
• - 応永17年（1410年）: 従四位下、正四位下備前権介権中納言、従三位に任命。
• - 応永18年（1411年）: 正三位権大納言。
• - 応永19年（1412年）: 従二位に昇進。
• - 応永21年（1414年）: 正二位。
• - 応永26年（1419年）: 左近衛大将と内大臣に任命されましたが、翌年にこれらの職を辞職します。
• - 応永27年（1420年）: 左大臣に配置。
• - 応永31年（1424年）: 関白に就任し、正長元年（1428年）に辞職。
• - 応永33年（1427年）: 左大臣に任命され、永享元年（1429年）には辞職。
• - 正長元年（1428年）: 摂政に任じられ、永享4年（1432年）に再び摂政として活躍、同年太政大臣に昇進しますが、翌年に辞職しました。
• - 永享5年（1433年）: 再度関白に就任し、最後までその地位を保持します。

系譜

持基の家族関係は以下の通りです:

• - 父: 二条師嗣（生年：1356年、没年：1400年）
• - 母: 東坊城長綱の娘（参議）
• - 養父: 二条満基（生年：1383年、没年：1411年）
• - 妻: 石橋殿（石橋信乗の姉妹）
• - 男子: 二条持通（生年：1416年、没年：1493年）、生母不明の他の子女もいました。
• - 男子: 尊応
• - 養子: 隆快

このように、二条持基はその生涯を通じて政治と文化の両面で影響を及ぼした、室町時代の重要な人物でした。

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