二条弼基

二条弼基（にじょう たねもと）

二条弼基は、1910年6月19日に生まれ、1985年8月28日に没した日本の工学者、政治家であり、華族でした。彼は日本の電気通信分野の発展に貢献し、貴族院公爵議員、工学博士としても知られています。

生涯

東京府出身で、男爵・二条正麿の三男として生まれました。二条家第28代当主・二条厚基の死後、後継者争いが起こる中で、その聡明さが認められ養子となります。1930年9月1日に公爵を襲爵しました。1934年には東北帝国大学理学部地質科を卒業、さらに1937年には同大学工学部電気科を卒業しました。

1937年に逓信省電気試験所に入所し研究員となり、1939年には逓信技師に任官されました。1940年6月19日、満30歳で貴族院公爵議員に就任し、火曜会に所属、1947年5月2日の貴族院廃止までその職を務めました。

戦後は、逓信省電気通信研究所無線器具課長、郵政省電波研究所次長、同省電波監理局監視長、同局次長などを歴任しました。1962年に退官後、松下電器に入社し、技術本部研究調整部長、同本部研究所長、同研究所参与を歴任しました。

1976年には伊勢神宮大宮司に就任。その他、藤商会会長、堂上会理事長なども務めました。

受賞歴

1975年 丹羽高柳賞功績賞「テレビジョン放送の実現およびその進展に尽くした功績」
1979年 日本ITU協会賞（一般活動関係）

栄典

1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

親族

母：二条鶴子（酒井忠道の娘）
妻：二条恭仁子（多嘉王三女）
子息：二条基敬（もとゆき）

二条弼基は、工学研究者、技術者として日本の電気通信技術の発展に貢献しただけでなく、華族としての社会的責任も果たしました。彼の多岐にわたる活動は、日本の近代化に大きく寄与したと言えるでしょう。

参考文献

平凡社 編『現代人名情報事典』平凡社、1987年。
衆議院; 参議院 編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館 編『平成新修旧華族家系大成』《下巻》吉川弘文館、1996年。
板倉聖宣監修『事典 日本の科学者：科学技術を築いた5000人』日外アソシエーツ、2014年。

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