五部

五部（ごへい）の概要

五部は、茨城県古河市に位置する地名で、郵便番号は306-0123です。この地域には古くから生沼（おいぬま）姓の住民が多く見受けられます。また、近隣の仁連（にれい）地区には「御辺（ごへ）」という地名があるため、便宜上「諸川五部」と呼ばれることもあります。このように、五部は地域の歴史や人々の文化に密接に結びついている地名であることが伺えます。

地理

古河市の東部に位置し、かつての猿島郡三和町の飯沼干拓地の北部西岸にあたります。南、西、北側は台地が広がり、東側には平地や林が広がっています。また、北東を流れる西仁連川があり、そこを挟んで結城市七五三場（しめば）が隣接しています。五部地区のほとんどは農地で構成され、南部にある諸川集落周辺を除いて住宅の数は少ないのが特徴です。地域全体は幸江崎土地改良区に指定されており、毎年無人ヘリによる水稲防除が行われています。

五部という地名は、さらに多くの小字名を含みます。川向、加々道、クレキリバ、腰蒔など、様々な名称が古くから伝わり、地域の歴史を物語っています。

歴史

五部は1574年（天正2年）12月2日に記された文書に「五部、芳春院領」として登場します。江戸時代には日光東往還沿いにある諸川宿や仁連宿との助郷役が設けられ、幕末には旗本森柳氏の領地でありました。文献に見る村高は複数の記録で133石余であり、主な物産としては米、麦、豆類が記載されています。天保郷帳には「五遍村」という名称も確認され、地域の名前に変遷があったことが伺えます。

香取神社には「旧正一位香取大明神氏子中 寛政三年九月十五日」という刻印が残り、小字の「溜下」や「溜淵」は過去の天水田の存在を示すものと考えられています。明治時代には1875年から茨城県、1878年から猿島郡に属するようになり、1891年の時点での戸数は18戸、人口は118人でした。

沿革

1889年4月1日に町村制が施行され、五部村は諸川宿や仁連村などと合併し猿島郡幸島村の一部となりました。その後1896年には猿島郡と西葛飾郡が統合され、猿島郡の一部として位置付けられます。1955年2月11日には幸島村が八俣村や名崎村と合併し、三和村に名称を変更しました。さらに1969年には町制を施行し、三和町と改称されました。2005年には三和町が古河市や総和町と合併し、新たに古河市が誕生しました。

世帯数と人口

2017年には、この地域の世帯数や人口に関する統計が記録されていますが、それらは日々変動するため、詳細な把握は各種自治体の情報を参考にすることが重要です。

交通

五部地域には公共交通機関が通っておらず、国道125号や茨城県道・千葉県道17号結城野田線近くの、茨城急行自動車のバス停が最寄となります。最寄駅は古河駅で、国道125号を3キロ西に進んだ場所にあります。しかし、交通インフラの整備は遅れており、未舗装の砂利道も見られ、アクセス面では課題が残っています。

施設・史跡

西仁連川の沿岸には茨城県立三和高等学校があり、その隣には本田遺跡が存在します。この遺跡では2008年から埋蔵文化財の発掘調査が行われ、縄文時代の住居跡や中世、近世の遺構が多数見つかっています。特に古代の東海地方産の緑釉陶器や中世の中国産白磁など、貴重な品々が出土し、地域の歴史を物語っています。これらの発見は五部の文化的な背景を深く理解するための手がかりとなります。

五部はその名の通り、古い歴史と豊かな自然が交差する地域であり、今後もその魅力を再発見する場となるでしょう。

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