交響曲第3番 (カバレフスキー)

交響曲第3番 変ロ短調 Op.22

ドミトリー・カバレフスキーによって作曲された交響曲第3番 変ロ短調 作品22は、管弦楽と合唱のために書かれた楽曲です。この作品はしばしば『レクイエム』、あるいは『レーニンへのレクイエム』、『レーニンを偲ぶレクイエム』といった通称で呼ばれています。ただし、カバレフスキーが1962年に作曲した『レクイエム』作品72とは異なる作品です。

概要

この交響曲の作曲は、カバレフスキーにとって交響曲第1番に続いて着手され、1933年12月26日に完成に至りました。初演は、完成から間もない1934年1月21日、ウラジーミル・レーニンの没後10周年を記念する式典にて行われました。演奏はソビエト国立放送交響楽団および同合唱団が担当しました。出版は1935年に行われ、これは同時期に作曲されていた交響曲第2番に先行しています。

作品にはニコライ・アセーエフによる詩が歌詞として用いられており、これはレーニンの死を悼みつつ、彼の遺志を受け継いで前進することを人々に呼びかける内容です。音楽的には、主として単旋律的な表現を軸とした、分かりやすく力強い音楽語法が特徴的です。なお、この時期には、レフ・クニッペルが交響曲第3番『極東軍』（1932年）で、ヴィッサリオン・シェバリーンが劇的交響曲『レーニン』（1931年）で、それぞれ合唱を導入し、葬送行進曲を楽曲構成に取り入れた交響曲を手がけており、本作もこうした当時のソビエト音楽の傾向の中に位置づけられます。

楽器編成

フルート3（うち1人はピッコロに持ち替え）、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、打楽器、ピアノ、弦五部、混声合唱。

楽曲

この交響曲は全2楽章で構成されており、全体の演奏時間は約20分です。

第1楽章 Allegro impetuoso
管弦楽のみで演奏されるソナタ形式の楽章です。
第2楽章 Andante marciale lugubre - Tempo di marcia funebre e trionfale
第1楽章から切れ目なく続いて演奏され、合唱が加わります。

両楽章は共通の主題によって密接に関連づけられています。作品全体を通して、葬送行進曲のリズムが頻繁に用いられ、痛ましい雰囲気が支配的です。しかし、終盤に至ると音楽は変ロ長調へと転調し、力強い響きをもって堂々と締めくくられます。

出典に関する情報は省略いたします。

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