京成バス千葉イースト佐倉営業所

京成バス千葉イースト佐倉営業所



京成バス千葉イースト佐倉営業所は、千葉県佐倉市角来に所在し、佐倉地域の公共交通を担う重要な拠点です。京成本線京成佐倉駅の近くに位置し、佐倉市内の広範囲な一般路線バスと、東京駅方面への高速バスを運行しています。

この営業所は、2025年4月1日に実施される京成グループのバス事業再編に伴い、ちばグリーンバス株式会社が他のグループ会社と統合され、京成電鉄バスホールディングス傘下の京成バス千葉イーストの営業所となることで誕生しました。本項では、その前身であるちばグリーンバス、そして京成電鉄佐倉営業所時代からの歴史や現在の運行状況について記述します。

歴史



佐倉地区のバス路線の始まりは古く、大正時代に地元の事業者が運行を開始したことに遡ります。これらの路線は、その後の事業統合を経て、1944年に京成電鉄へ引き継がれました。当初は成東営業所の管理下で運行されていましたが、戦後の路線拡張に伴い、1955年には田町車庫が設けられ、1971年4月1日には田町車庫が独立して京成電鉄佐倉営業所が開設されました。

昭和後期にかけて市内路線の充実が図られましたが、鉄道網の変化などの影響により、佐倉と千葉を結ぶ長距離一般路線は再編・短縮されました。特に1991年千葉都市モノレール開業は、広範囲な路線改変の契機となります。

ちばグリーンバスとして独立



2000年7月16日、京成電鉄のバス事業の一部見直しにより、佐倉営業所の多くの路線と施設がちばグリーンバスとして分社化されました。一部路線は引き続き京成電鉄(後に京成バス)が運行しましたが、2012年には角栄団地線も移管されています。

ちばグリーンバス移行後は、利用の少ない区間の整理や、新しい住宅地への路線開設など、市内輸送への重点化が進められました。一方で、2010年には東京駅への高速バスマイタウン・ダイレクトバス」に参入し、新たな事業領域を拡大しました。

京成バス千葉イーストへ



2025年4月1日京成グループの再編により、ちばグリーンバス京成バス千葉イーストの佐倉営業所となります。

主な運行路線



佐倉営業所は多様な一般路線バスを運行しています。主要路線には、京成佐倉駅・JR佐倉駅方面から神門方面へ向かう神門線(かつての和田線、岩富線などを統合)、京成佐倉駅と臼井駅、四街道駅を結ぶ臼井線、志津駅南口と四街道駅を結ぶ大日線、臼井駅から染井野団地へ向かう染井野団地線京成佐倉駅などから京成酒々井駅へ向かう本佐倉線(かつての成田線などを統合)、JR佐倉駅と高崎・弥富方面を結ぶ高崎線、白銀ニュータウンへの白銀ニュータウン線、JR酒々井駅・京成酒々井駅と順天堂大学などを結ぶ順大線(かつて印旛日本医大駅まで運行された系統も)、JR佐倉駅と佐倉南高校などを結ぶ佐倉南高校線、JR佐倉駅と松ヶ丘団地を結ぶ松ヶ丘線、JR佐倉駅と物井駅を結ぶ物井線、臼井駅とJR佐倉駅を新しいルートで結ぶ寺崎線、志津駅などから角栄団地へ向かう角栄団地線ユーカリが丘駅や四街道駅と東邦大佐倉病院を結ぶ下志津線佐倉市内の公共施設などを巡る千成線などがあります。

これらの路線の多くは、開業以来ルートや系統が変更され、地域の交通需要に応じて再編されてきました。近年では、佐倉市コミュニティバスとの連携による一部区間の廃止や、デマンド交通の実証運行などが影響しています。

一般路線のほか、佐倉市・酒々井町のコミュニティバスデマンド型乗合タクシーの運行受託、都心への深夜急行バス、各種イベント時の臨時シャトルバスも運行しています。

高速バスとしては、東京駅方面へ向かうマイタウン・ダイレクトバス(四街道ICルート、佐倉ICルート)を運行しており、佐倉ICルートは単独運行路線です。

かつては、佐倉市内の観光地を巡る佐倉観光循環線などが運行されていましたが、廃止されています。

車両



ちばグリーンバスの車両は、伝統的にいすゞ自動車製が中心です。現在の標準塗装は白地に緑色などを配したデザインで、社番は「CG-」で始まります。主力は大型・中型のいすゞエルガ・エルガミオで、ノンステップバスの導入も進んでいます。小型車や高速バス用の車両も保有しています。

令和元年台風による水害被害



2019年10月の台風21号の豪雨では、鹿島川の氾濫により田町車庫が冠水し、複数の車両が運行不能となる甚大な被害に見舞われました。京成グループ各社からの応援を得て、早期の通常運行再開を実現しました。

地域連携



佐倉市との連携により、「桜に染まるまち、佐倉」キャンペーン期間中に京成佐倉駅停留所名を「京成桜駅」に変更するなど、地域活性化に貢献する取り組みも行っています。

佐倉営業所は、その長い歴史の中で変化を重ねながら、佐倉地域における重要な交通インフラとして役割を担い続けていくことになります。

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