京極政経

京極政経について

京極政経（きょうごく まさつね）は、室町時代後期から戦国時代前期にかけて活躍した武将で、守護大名の一人として知られています。彼は近江、出雲、隠岐、飛騨の四カ国の守護を務め、室町幕府の相伴衆としての役割も果たしました。彼の父は京極持清であり、政経はその三男でした。政経の兄には勝秀や政光が、甥には高清がいます。また、姉妹には畠山政長の妻がいました。政経の子どもである経秀は後に材宗と名を改めました。彼は従五位下大膳大夫という官位を持ち、室町幕府第8代将軍足利義政から偏諱の授与を受け、「政経」と名乗るようになりました。彼の別名は政高（まさたか）です。

生涯の経歴

政経は応仁元年（1467年）に発生した応仁の乱に関連する家系に生まれました。この戦乱の中で、父は細川勝元の東軍に参加し、戦闘を繰り広げましたが、文明2年（1470年）に病死してしまいます。その後、勝秀の死を受けて、次兄の政光と高清を中心に鎌倉時代から続く家督相続を巡る争いが勃発します。この争いは「京極騒乱」として知られ、政経は次兄政光と力を合わせて高清派と対立しました。

政経は多賀清直との連携を取り、一時的には近江を制圧しましたが、文明4年（1472年）における大敗が響き、越前へ逃れることになります。その後も争いは続き、出雲、隠岐、飛騨の守護職は得るものの、高清との闘争は衰えることがありませんでした。文明9年（1477年）には応仁の乱が終息するものの、近江の守護も再び六角高頼に戻ります。

文明14年（1482年）には幕府から請求された税金に対して、擦り合わせが存在し、最終的に経久を追放する形で新たな守護代を派遣しましたが、その後も経久に再び攻撃を受け、城を奪回される結果となりました。このように政経は多くの困難と対峙しながらも、最終的には出雲の豪族を利用して政権を強化しようと試みました。

長享2年（1488年）には伊香郡で高清との間にまたも衝突が起こり、一時的に敗れるものの、延徳元年（1489年）には近江国人衆の協力を得て高清を追放することに成功します。しかし、明応元年（1492年）には、将軍足利義稙から家督を奪われ、高清に与えられる憂き目にあいます。さらには、明応の政変で再び復帰し、再戦が繰り広げられましたが、最終的には敗北して出雲に向かうことになりました。

政経の最期には諸説存在します。佐々木文書によると、永正5年（1508年）に家督を孫の吉童子丸に譲り、56歳で亡くなったとされていますが、西讃府史では50歳で亡くなったとも言われています。彼の晩年には尼子経久とも和解し、出雲に居住していたとの話があります。

偏諱を授けた人物

政経は、自らの血縁や家臣に対しても偏諱を与えました。彼の嫡男経秀、守護代の尼子経久、経久の嫡男政久、そして家臣の多賀経家がその例です。これによって、一族の結束を強化し、京極氏の名は多くの武将たちに引き継がれていきました。

参考文献

• - 佐々木文書
• - 西讃府史
• - 今谷明・藤枝文忠編『室町幕府守護職家事典（上）』新人物往来社、1988年。
• - 宮島敬一『人物叢書 浅井氏三代』吉川弘文館、2008年。

このように、京極政経はその波乱に富んだ生涯を通じて、武士の中でも特異な存在感を示した武将でした。

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