今出川公行

今出川公行（いまでがわ きんゆき）は、南北朝時代から室町時代前期にかけて活躍した公卿です。右大臣・今出川実直の子として生まれ、その生涯を通して朝廷において重要な役割を果たしました。

経歴

公行は永徳元年/弘和元年（1381年）に従三位に叙され、公卿としての道を歩み始めます。その後、参議、備後権守、権中納言といった要職を歴任し、着実に昇進を重ねました。応永2年（1395年）には権大納言に就任し、朝廷内での存在感を高めます。応永6年（1399年）には右近衛大将を兼務し、武官としても重要な地位を占めることとなりました。

応永9年（1402年）に右近衛大将を辞任しますが、その直後に内大臣へと栄転します。さらに応永10年（1403年）には右大臣を拝命し、公卿としての地位を確立しました。応永16年（1409年）には、従一位を授与され、その名声は頂点に達します。応永18年（1411年）には左大臣に就任し、応永25年（1418年）までその職を務めました。

称光天皇即位時の内弁

応永21年（1413年）12月19日、称光天皇が即位しましたが、この際に公行は内弁を命じられます。しかし、公行は都合により再三辞退を申し出ました。後小松上皇の奉行であった勧修寺経興から厳しく指示があったため、やむなく準備を進めていたところ、4代将軍・足利義持が右大将であった九条満教を内弁に推挙しました。この結果、満教は右大将から右大臣に進み、内弁の役を担うことになります。それまで右大臣であった鷹司冬家は辞職を余儀なくされ、公行も内弁の役から解放されるという事態となりました。

系譜

父：今出川実直（1342-1396）
母：不詳
妻：不詳
男子：今出川実富（?-1428）
* 女子：小川宮側室

今出川公行は、激動の時代を生き抜き、公卿としてその才能を発揮しました。称光天皇即位時の内弁を巡る一件は、当時の朝廷内の権力構造や人間関係を垣間見ることができる興味深いエピソードです。

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