仙台 - 山形線

仙台 - 山形線：宮城・山形を結ぶ高速バス

仙台 - 山形線は、宮城県仙台市と山形県山形市を結ぶ高速バス路線です。宮城交通と山交バスが共同で運行しており、両県庁所在地間をダイレクトに結ぶため、通勤・通学、観光など幅広い目的で利用されています。

概要

この路線は、1日に平日80往復、土日祝日66.5往復と多数の便が運行されており、特に平日の朝ラッシュ時には、最短4分間隔という高頻度での運行が行われています。2019年度には年間約170万人が利用し、山交バスの乗合バス事業における売上の約2割を占めるなど、地域にとって非常に重要な路線となっています。

2018年頃から山交バス、2019年からは宮城交通バスでWi-Fiサービスが開始され、利便性が向上しました。また、かつては女性専用席も設置されていましたが、2012年3月に廃止されています。

運行経路

仙台側の主な停留所は、県庁市役所前、仙台駅前、広瀬通一番町です。山形側は、山形県庁前、南高前、山交ビル・山形駅前となっています。両方向ともに、山形市内では山交ビル→山形駅前の順に停車します。

高速道路区間は、仙台西道路、東北自動車道、山形自動車道を経由します。山形市内では、県道十日町山形線、県道山形停車場線を通ります。

運行回数

2021年4月1日現在、1日あたりの運行本数は、平日80往復、土日祝日66.5往復です。日中は毎時3〜4本程度ですが、平日の朝6時30分から7時30分にかけては、山形発の便が13本運行されるなど、時間帯によって運行本数が大きく異なります。また、山形からの利用者に配慮し、平日朝の山形発、土日祝夕方の仙台発の便が多くなっています。

元日は、9時から22時まで、概ね30分～1時間間隔で1日26往復の運行となります。仙台 - 上山線を加えると、山形県庁前から平日88往復、土日祝日73往復利用できます。

クローズドドアシステム

この路線では、仙台発と山形発の便で乗降制限が異なります。仙台発の便では、山形市内において山交バス便で山交バスの一般定期券が利用可能です。また、2004年以降、クローズドドアシステムが一部緩和され、山形県庁前と南高前の2つのバス停で山形駅方面の片方向のみ乗降が可能となっています。これにより、山形市内での利便性が向上しました。

担当営業所

山交バスは、山形営業所と仙台営業所が担当しています。宮城交通は、仙台南営業所と山形営業所が担当しています。以前は山交バスの子会社であった山形高速バスも運行を担当していましたが、山交バスに統合されています。

山交バスの仙台側の休憩所は、同社仙台営業所と宮城交通北根車庫です。宮城交通の山形側の休憩所は、山交バス山形営業所です。

運賃

2021年4月1日現在の運賃は以下の通りです。

大人片道：1,000円
回数券（2枚つづり）：1,800円（1回あたり900円）
回数券（6枚つづり）：5,100円（1回あたり850円）
通勤定期券：36,000円（1か月）、102,600円（3か月）、205,200円（6か月、icsca定期券のみ発行）
通学定期券：27,000円（1か月）、76,950円（3か月）、153,900円（6か月、icsca定期券のみ発行）

回数券はバス車内や宮交仙台高速バスセンター、山交バス窓口で購入できます。

ICカード

2015年1[[2月6日]]、宮城交通に交通系ICカード「icsca」が導入され、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードとの相互利用が可能になりました。山交バス便では運賃の支払いに「icsca」を使用できませんが、「icsca定期券」に限り乗務員に提示することで利用可能です。また、2022年5月14日以降、山交バスで地域連携ICカード「cherica」が導入され、山交バス・宮城交通共にICカードの利用が可能になりました。

歴史

仙台と山形を結ぶ都市間バスの歴史は古く、山形自動車道の開通前から笹谷トンネル経由の特急バスとして運行されていました。1933年には、山形交通自動車商会が関山街道経由で作並温泉までのバスの運行を開始し、仙台と作並温泉を結ぶバスに乗り換えることで、バスによる仙山連絡が可能となりました。

2000年代初頭には、高速バス事業の規制緩和に伴い、新規参入業者との間で激しい旅客争奪戦が繰り広げられました。2004年には、富士交通が参入し、運賃値下げや増便競争が激化しましたが、同年中に撤退しました。しかし、この競争により、仙台を中心とした高速バス路線網が整備され、仙台の商圏が拡大しました。

2011年の東日本大震災時には、山形自動車道が通行止めになり、一時的に運休となりましたが、すぐに一般道路経由での運行を再開し、多くの帰宅困難者を輸送しました。

年表

1952年：山形交通が仙台 - 山形線の運行を開始
1981年：山形交通・宮城交通の共同運行による特急バスを運行開始
1989年：東北自動車道と山形自動車道の一部開通により高速道路経由となる
2004年：富士交通が参入し、運賃値下げ競争が激化
2004年：富士交通が撤退
2011年：東日本大震災の影響で一時運休、その後一般道路経由で運行再開
2015年：宮城交通でICカード「icsca」導入
2018年：山交バスでWi-Fiサービス開始
2019年：宮城交通バスでWi-Fiサービス開始
2022年：山交バスで地域連携ICカード「cherica」導入

輸送人員

輸送人員は年々増加しており、2007年度には130万人を超えています。

関連路線

仙山線
仙台 - 酒田・本荘線
仙台 - 上山線
仙台 - 山形蔵王線
仙台 - 米沢線
仙台 - 福島線
仙台 - 郡山線
仙台空港 - 山形線

外部リンク

[宮城交通]]：[山形 - 仙台
* 山交バス：山形〜仙台

もう一度検索