伊号第六十潜水艦

伊号第六十潜水艦の歴史

伊号第六十潜水艦（いごうだいろくじゅうせんすいかん）は、大日本帝国海軍に所属する潜水艦で、海大3b型（伊156型）の4番艦として知られています。1923年の艦艇補充計画に基づき、佐世保工廠で建造が始まり、1927年10月に起工されました。進水は1929年4月24日で、その後、各種装備が施されて同年12月24日に竣工しました。佐世保鎮守府に所属し、伊63と共に第28潜水隊を編成し活動を開始します。

演習での事故

1937年2月2日、演習に向かう際、伊号第六十潜水艦は僚艦の伊63との衝突事故を起こしました。伊63が自艦の配備地点にいたにもかかわらず、伊60は灯火を小型船と誤認し、近づいてしまいます。結果、衝突が発生し、伊63は沈没。艦長を除く81名の将校が殉職しました。この事故の直接的な要因は、伊63が配備地点を誤ったことにあると言われています。

支那事変と太平洋戦争

支那事変が始まると、伊号第六十潜水艦は中国に派遣されました。ただし、その主な目的は旧式巡洋艦の派遣ではなく、士気を保つために潜水艦も参加させることでした。1938年6月1日には、艦型名が伊五十三型に改正され、続いて1941年には太平洋戦争が勃発します。

この時、伊号第六十潜水艦はマレーシア半島上陸作戦を支援し、その後フィリピンのミンダナオ島ダバオに到着します。1942年1月9日、インド洋通商破壊戦に参加するため出撃しました。

最期と沈没

1942年1月16日未明、伊号第六十潜水艦はスンダ海峡南口に到達しましたが、この時を最後に消息不明となります。連合軍の記録によると、1月17日にアメリカの輸送艦を護衛していた英国の駆逐艦ジュピターに発見され、爆雷攻撃を受けて潜航不能になりました。浮上した伊号第六十は、12センチ砲で反撃するも、最終的には沈没。艦長や艦 crewを含む83名が戦死し、数名が救助されたものの、負傷した一名は後に戦死する運命をたどります。

沈没地点は南緯06度19分、東経104度49分とされ、水深は920メートルと報告されています。その後、1942年3月15日に除籍されました。

歴代艦長

この艦の艦長については多くの方が歴任しました。初代艦長である道野清少佐は1929年から1930年まで指揮を執り、その後も多くの艦長が任務を務めました。最終的な艦長は長谷川晙少佐で、1942年1月17日に戦死しました。

伊号第六十潜水艦は、その短い生涯の中で多くの歴史的な出来事に関与し、忘れられない存在となっています。

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