伊吉益麻呂

伊吉益麻呂の生涯と業績

伊吉益麻呂（いき の ますまろ）は、奈良時代に活躍した日本の貴族であり、具体的な生没年は不詳ですが、彼の官歴や重要な役割について多くの資料が残されています。彼の姓は「連」であり、官位は外従五位下及び大外記を務めました。

彼の歴史的な業績の中で特に注目されるのが、淳仁天皇の時代に行われた外交使節の一環です。天平宝字5年、彼は遣高麗大使として高麗の大山に任じられ、その直後に副使としての地位を得たとされています。これは、渤海に向かう重要な使命の一部であり、当時の日本と周辺国との関係を強化するための重要な取り組みでした。

遣渤海使節団は761年10月に出発し、翌年の3月に無事渡海したものの、大使の高麗大山は帰国途中に病に倒れ、佐利翼津で帰らぬ人となりました。この不運な事態により、益麻呂は急遽使節団を指揮することになり、彼のリーダーシップによって団は平城京へと無事帰還しました。

その後、12月には帰国報告を果たし、これが評価されて益麻呂は外従五位下に昇進します。同時に、高麗大山には正五位下が贈られ、その功績は多くの人々に記憶されることになります。

続く天平宝字7年、益麻呂は大外記に任じられることとなります。この役職は、政務に関わる重要な職位であり、彼の地位が益々高まったことを示しています。

官歴の詳細

益麻呂の官歴については、史書『続日本紀』から詳細な数値が得られます。彼は次のような経歴を持っています。

• - 天平宝字5年（761年）10月22日：遣高麗副使に任命
• - 時期不詳：正六位上に昇進
• - 天平宝字6年（762年）12月11日：外従五位下に昇進
• - 天平宝字7年（763年）1月9日：大外記に任命

これらの記録から、益麻呂が奈良時代の重要な時期に活躍し、その影響力を持ちながら日本の政務や外交に貢献したことがわかります。

彼の生涯に関する詳細は不明な部分も多いものの、伊吉益麻呂の存在は奈良時代における貴族社会や外交史の理解に欠かせない重要な要素となっています。彼の役職や行動は、当時の日本がいかに外国との関係を重視していたかを示す証明でもあります。今後も彼の業績がどのように歴史に刻まれていくのか、研究が進むことを期待したいところです。

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