伊東祐信

伊東祐信（いとう すけのぶ）

伊東祐信は、戦国時代の武将であり、日向伊東氏の家臣として活躍しました。

木崎原の戦い

1572年、伊東祐信は主君・伊東義祐の命を受け、島津氏領への侵攻作戦に参加します。当時、島津氏の当主・島津貴久が亡くなった直後で、伊東氏はこれを好機と捉え、真幸院の支配を拡大しようとしました。

伊東軍は総勢3,000余、総大将は伊東祐安。祐信は、伊東又次郎、伊東祐青と共に、その一翼を担い、小林城を出陣しました。軍は二手に分かれ、一軍が島津義弘の居城である飯野城を牽制する間、祐信率いる別働隊は、加久藤城を目指し進軍を開始します。加久藤城には、義弘の妻子とわずかな守備兵しかいませんでした。

加久藤城攻防戦

祐信隊は、まず加久藤城周辺の民家を焼き払い、島津軍を挑発しました。その後、城の搦め手から侵入を試みますが、暗闇の中、道に迷い、樺山浄慶の屋敷を攻撃してしまいます。樺山親子は、石を投げつけたり、大勢いるように見せかけたりして抵抗、討ち死にしました。その後、祐信隊は鑰掛口を目指しますが、断崖絶壁に阻まれ、島津軍の激しい攻撃に苦戦を強いられます。

そこへ、加久藤城主・川上忠智が打って出て、救援に駆け付けた馬関田、吉田の兵、遠矢良賢の兵と連携し、祐信隊を攻撃。伊東軍は退却を余儀なくされ、この戦いで、伊東杢右衛門や小林城主・米良重方が討ち死にしました（異説あり）。

討ち死に

退却した祐信隊は、池島川まで下がり、鳥越城跡で休息を取ります。しかし、兵の多さに油断し、暑さのために川で水浴びをする者が多くいました。そこを、飯野城から出撃した島津義弘の軍勢が奇襲し、伊東軍は大混乱に陥ります。

この戦いで、祐信は島津義弘と一騎打ちを繰り広げますが、力及ばず討ち取られました。その際、義弘の愛馬が、祐信の槍をかわしたという逸話が残っています。（柚木崎正家との交戦のときとの説もあり）

その後

戦後、祐信は小林市の伊東塚に他の戦死者と共に祀られました。また、佐土原城にも墓が設けられ、現在も残っています。

伊東祐信は、その勇猛さと壮絶な最期から、後世に語り継がれる武将となりました。

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