伊豆実成寺

實成寺について

實成寺は、静岡県伊豆市柳瀬に位置する日蓮宗の由緒寺院であり、本山として知られています。この寺院は、日興の法脈を受け継ぐ富士門流に属しており、静岡県東部地域に広がる富士五山（北山本門寺、西山本門寺、大石寺、下条妙蓮寺、小泉久遠寺）や京都要法寺、保田妙本寺と共に、「興門八本山」の一つに数えられています。

起源と歴史

實成寺の歴史は、1301年（正安3年）に太夫阿日尊によって伊豆柳瀬に創建されたことに始まります。その後、1799年（寛政11年）に火災で焼失しましたが、1844年（弘化1年）に客殿が、1847年（弘化4年）には本堂が再建されました。明治時代に入ると、1876年（明治9年）には富士門流の統一教団である日蓮宗興門派の結成に参加し、1899年（明治32年）には日蓮宗興門派が本門宗と改称しました。さらに、1941年（昭和16年）には本門宗が一致派、勝劣派の顕本法華宗と共に三派合同を行い、日蓮宗が結成されました。

文化財

實成寺には、伊豆市指定有形文化財である「實成寺祖師堂の彫刻」や「大見平三家政の墓」など、貴重な文化財が保存されています。これらの文化財は、寺院の歴史と文化を今に伝える重要な要素となっています。また、歴代の住職の記録も寺院の歴史を語る上で欠かせないものです。

主要な年間行事

實成寺では、年間を通して様々な行事が行われています。主なものとしては、新年の始まりを祝う「年頭会」（1月11日）、開山を偲ぶ「開山会」（5月8日）、寺宝を公開する「霊宝御風入」（8月第4日曜日）、日蓮聖人の命日に行われる「御会式」（10月13日）などがあります。これらの行事は、寺院の信仰と伝統を継承する上で重要な役割を果たしています。

旧末寺

1941年（昭和16年）に日蓮宗が本末を解体したため、現在では旧本山・旧末寺という形で呼ばれています。實成寺の旧末寺としては、以下の寺院があります。

法運山本成寺（静岡県伊豆市菅引）
永正山妙泉寺（静岡県伊豆市原保）
旭光山行蓮寺（静岡県伊東市宇佐美）
船守山蓮慶寺（静岡県伊東市川奈）

交通アクセス

實成寺へのアクセスは、車の場合、修善寺ICから県道12号を南東へ約7km進むと到着します。自然豊かな伊豆の地にあるため、訪れる際には周辺の景色も楽しむことができます。

関連情報

實成寺に関するさらに詳しい情報を知りたい場合は、以下の項目も参考にしてください。

富士門流
本門宗
富士五山（北山本門寺、上条大石寺、西山本門寺、小泉久遠寺、下条妙蓮寺）
興門八本山（富士五山、伊豆實成寺、保田妙本寺、京都要法寺）

参考文献

宗祖第七百遠忌記念出版『日蓮宗寺院大鑑』/日蓮宗寺院大鑑編集委員会/大本山池上本門寺/昭和56年（1981年）

外部リンク

日蓮宗本山 東光山實成寺　日蓮宗ポータルサイト

實成寺は、その歴史と文化、そして美しい自然に囲まれた場所で、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれるでしょう。この情報が、實成寺への理解を深める一助となれば幸いです。

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