小泉久遠寺

小泉久遠寺

小泉久遠寺は、静岡県富士宮市小泉に位置する日蓮宗の由緒ある本山です。この寺院は、日蓮聖人の教えを継承する富士門流に属し、北山本門寺、西山本門寺、大石寺、下条妙蓮寺とともに「富士五山」を構成する重要な寺院の一つです。さらに、京都要法寺、伊豆実成寺、保田妙本寺と合わせて「興門八本山」としても知られています。

起源と歴史

小泉久遠寺の歴史は、1334年（建武元年）に日蓮聖人の高弟である日郷によって小泉蓮蔵坊として創建されたことに始まります。その後、日郷の弟子である日叡が訪れ、1344年には日郷自身もこの地を訪れました。15世紀には、大石寺の日時が本尊を書写し、小泉講に授与した記録があります。

1468年には保田日安によって久遠寺が創建され、その後、度重なる火災に見舞われながらも、その都度再建されてきました。1549年には、今川氏真から朱印が下附され、寺の運営は安定しました。しかし、1680年頃には再び全焼し、1835年にも本堂などが焼失するなど、苦難の歴史を歩んでいます。

明治時代には、1880年に小学校の開校祝いの花火が原因で本堂が焼失するという災難に見舞われましたが、上野東光寺の本堂を譲り受けて仮本堂としました。1876年には、富士門流の統一教団である日蓮宗興門派の結成に参加し、その後、日蓮本門宗（本門宗）と改称、最終的に日蓮宗に統合されました。

境内

現在の境内には、本堂、客殿、大庫裡、黒門などの建物が立ち並びます。また、塔頭として大乗坊があります。

年間行事

小泉久遠寺では、年間を通して様々な行事が行われています。詳細については、寺院の公式ウェブサイトなどでご確認ください。

旧末寺

日蓮宗は昭和16年に本末を解体したため、現在では旧本山・旧末寺と呼んでいます。

富士山大乗坊（静岡県富士宮市小泉）- 塔頭
長久山円蔵寺（静岡県駿東郡長泉町元長窪）
日照山長遠寺（静岡県富士市三ツ沢）
萱守山妙円寺（静岡県富士宮市小泉）

交通アクセス

小泉久遠寺へは、JR身延線富士宮駅から車でアクセスできます。また、西富士道路と国道139号の合流地点から約500mの場所に位置しています。

関連項目

富士門流
本門宗
富士五山
北山本門寺
上条大石寺
西山本門寺
小泉久遠寺
下条妙蓮寺
興門八本山
富士五山
伊豆実成寺
保田妙本寺
京都要法寺
池上本門寺

参考文献

宗祖第七百遠忌記念出版『日蓮宗寺院大鑑』/日蓮宗寺院大鑑編集委員会/大本山池上本門寺/昭和56年（1981年）

外部リンク

日蓮宗本山 富士山久遠寺　日蓮宗ポータルサイト
* 小泉久遠寺　日蓮宗静岡県中部宗務所公式サイト

小泉久遠寺は、歴史と文化が深く結びついた由緒ある寺院です。富士山の麓に位置し、美しい自然に囲まれたこの場所で、日蓮聖人の教えに触れ、静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索