伊達宗陳

伊達宗陳（だて むねのぶ）

伊達宗陳は、万延元年12月16日（1861年1月26日）に生まれ、大正12年（1923年）2月7日に没した日本の人物です。宇和島伊達家10代当主として知られ、宮内官、政治家、華族としても活動しました。貴族院侯爵議員、宮中顧問官を歴任。

経歴

宇和島藩主・伊達宗徳の長男として誕生。1905年12月27日に父の死去に伴い侯爵を襲爵し、貴族院侯爵議員に就任しました。以降、その生涯を閉じるまで貴族院議員として国政に携わりました。

明治学舎、学習院で学び、1886年には小松宮彰仁親王に随行してイギリスを訪問し、留学を経験しました。帰国後は、1889年以降、式部官兼主猟官、宮中顧問官などの要職を歴任しました。

明治10年代には、旧藩の困窮士族を救済するため、北海道開拓を計画しました。現在の江別市に150万坪の土地を借り受け、入植を試みましたが、宇和島からの大規模な入植は実現しませんでした。しかし、野幌若葉町には「伊達屋敷」という地名が残り、その足跡を今に伝えています。

1911年（明治44年）には、旧明倫館の跡地に私立伊達図書館（現在の宇和島市立中央図書館）を設立しました。これは、地域文化の向上に大きく貢献するものとなりました。

栄典

1906年（明治39年）1月20日 - 従三位
1921年（大正10年）2月10日 - 従二位

親族

妻: 伊達納子（のりこ、有馬頼咸七女）、伊達孝子（たかこ、徳川茂承二女）
養嗣子・甥: 伊達宗彰（官僚・実業家、弟紀隆の三男）
兄弟姉妹: 本多康虎、伊達紀隆、丹羽長徳（丹羽長国養子）、一柳直徳（一柳頼明の弟・紹念の養子）、伊達重正、二荒芳徳、能久親王妃富子（北白川宮能久親王妃）

参考文献

霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
千田稔『華族総覧』講談社〈講談社現代新書〉、2009年。
* 人事興信所編『人事興信録』第6版、1921年。

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